クレジットカードの「ステータス」を考える(前編)
私はいつも3,4種類のクレジットカードを使い分けています。また、仕事や生活の変化に合わせて、使わなくなったカードは解約して、必要なサービスがあれば別のカードを作っています。
初めてクレジットカードを持ったのは、約20年前のことでした。その頃のクレジットカードはほとんど銀行系だけで、入会の審査も今より厳しいものでした。使い方も、高額な商品を買う時など、特別な時に限られていたように思われます。
先日、更新時期が来たのを機会に、三井住友 AAdvantageゴールドカード(以下、AAゴールドカード)を解約しました。AAゴールドカードは、アメリカンエアライン(AA)のマイレッジプログラムと提携しているクレジットカードで、買い物などの利用額がAAのマイレッジとして加算されます。
このカードは1996年頃から使っていました。
当時、私は外資系ソフトウェアベンダーに勤務していて、仕事で年に数回、米国に出張することがありました。
Networld+Interopというネットワーク機器のイベントで、ラスベガスのホテルに1週間泊まっていた時のことです。
ある日の夕方、イベント会場から部屋に戻ってみると、電話機に留守電が入っていました。ホテルのフロントからでした。英語力をフル動員して理解したところでは、「あんたのクレジットカードの限度額を超えたから、別のカードを持ってフロントに出頭せい。(超意訳)」ということでした。
ラスベガスのホテルは普段はカジノの売上をあてにしていて部屋代が安いのですが、大きな展示会の時は急に強気で1泊200ドル以上になるのです。このため、滞在半ばにして、チェックインの時に提示したクレジットカードの限度額1,000ドルに達してしまったのでした。
結局、別のカードを持ってフロントに行き、2枚のカードを合わせて無事最後まで泊まることができたのでした。
この教訓から、限度額の高いカードの必要性を感じて、ゴールドカードを検討しました。そして、よく利用していたアメリカンエアラインの提携カードということで、AAゴールドカードを申し込んだのでした。正直に言えば、ゴールドカードの中でもフェイスのデザインがすべて英語で格好良かったというのも理由です。
その後、会社を転職したり自分の会社を作ったりで、最近では海外出張はすっかりご無沙汰しています。また、日本の航空会社のマイレッジプログラムも充実してきました。JALがAAと同じoneworldグループになったことで、JALのマイレッジカードがあれば、AAに乗ってもマイレッジが付くようになりました。このような理由で、AAゴールドカードを持つ理由がなくなっていました。そして、今回、年会費16,800円と得られるサービスを比較検討した結果、費用対効果が見合わないということで解約したわけです。
理屈では持つ理由がなくなったAAゴールドカードですが、本当に解約するかどうかはかなり迷いました。ゴールドカードはこの1枚だけでした。ゴールドカードがなくなってもいいのか、正直、見栄の部分で迷いました。
ずっと以前に読んだ雑誌のコラムの一部で、「ある程度の年齢になると、財布の中にカードはたくさんあっても、使いたいカードは限られる。接待の会計で流通系のカードを出すのは気が引ける。」というのが記憶にあります。
ということで、長い前振りでしたが、後編でクレジットカードのステータスについて考えたいと思います。