高速道路は危険がいっぱい
NHKドキュメンタリー「高速ツアーバス 格安競争の裏で」の放送後、一部のブログや掲示板ではツアーバス業界の問題について活発な議論がされています。
東京-大阪など大都市間を深夜に走る高速バスには、定期路線バスとツアーバスの2種類があります。
定期路線バスは、主にJRや私鉄系のバス会社が運行しています。あらかじめ認可が必要で、決められた時刻表があり、バス停やバスターミナルから発着します。車輌の整備やドライバーの休憩も決められた通り行われます。
今回番組で取り上げられたのは、もう一つのツアーバスです。
ツアーバスというのは、旅行代理店が集客・集金をして、バス会社からバスとドライバーをチャーターして運行しています。表向きはツアーのための貸し切りバスで、乗客が少なければ運行中止です。
大都市間の高速ツアーバスは、路線バスよりも格安ということで増えてきました。その一方で、駅の近くでの長時間の路上駐車、バス会社の営業区域外での運行などの問題が目立ってきました。
特に今回の番組で取り上げられたのは、格安料金を実現するために、旅行会社からバス会社への発注が法律で決められた公示運賃を下回ることが当然のようになっていることです。ツアーバス会社は2000年の規制緩和で新規参入した小・零細企業が多く、ツアーバス会社の数が多いため、低い料金で受注せざるを得ない状況です。結果として、中古バスしか買えず、故障しても予備車輌なし、ドライバーは仮眠のみで3連続深夜運転など、安全面でかなりギリギリです。
一部のバス会社では、到着遅れがあるとドライバーからペナルティーを取ることもあるようです。連休の渋滞で遅れそうになったドライバーのプレッシャーはたいへんなものがあるでしょう。運転に影響しそうです。
この問題は高速バスを利用しない人にとっても無縁ではありません。あなたが運転する自家用車の前を走っている高速バスが、いねむり運転で急に事故を起こして転倒したら・・・
ITを利用した価格比較サイトの普及が、この問題を加速する要因の一つになっているのは皮肉なことです。これもWeb2.0の2つの潮流「インターネット」と「チープ革命」なのでしょうか。