人件費圧縮は本質的なコスト削減につながるのか? もしくはごく私的な悩み
自分が関わる仕事の一つで新規プロジェクトを開始するにあたり、その予算を捻出するためには、他のコスト削減でしか対応できそうにないため、結局は人件費を圧縮することにした。おそらく、それにより、プロジェクトの立ち上げはほぼ可能となったはずだ(まだ最終的なゴーサインは出ていないけれど…)。
しかし、人件費をカットするということは、つまり労働者のインセンティブを削ぐことであり、その労働者のモチベーションを低下させる可能性も高い。ま、今回その人件費圧縮を考えたのは自分であり、その人件費圧縮の対象も自分なので、自業自得ではあるのだけれど……。
不況と言われる今、こういうジレンマに陥っている人は多いのじゃないだろうか?
人件費を圧縮しても労働者のモチベーションを維持・向上させるためには、成功報酬などのアメを用意する訳だが、社会全体の景気改善が見通しにくい厳しい状況下では、評価につながるだけの直ぐの成果もあまり望めないため、それは単なる「絵に描いた餅」でしかなくなってしまう可能性も大きい。
コスト削減を目的とした人件費圧縮が、結局は生産性の低下を招き、さらなるコスト削減を必要とする状況に陥ってしまう。そんなまさに「キャッチ22」とも言えるような状況を、頭の良い経営者や労働者はどうやって打破しているのか、是非とも知りたいものだ。もっとも、それを知ったからといって、自分も真似できるとは限らないけれど。
個人的に非常に悩ましいのは、自分の関わる仕事というのが、「非営利」を目的とした活動であるため、どんなにプロジェクトが軌道に乗ったとしても、その成果が多大なる利益を生み出す仕組みとなることは好ましくないし、そういう方向に向かってはいけないということだ。つまりは一旦引き下げた人件費を、事業が軌道に乗ったからといって、その成果に応じて引き上げるというのでは、まさに労働のモチベーションが営利目的としてのベクトルになってしまうため、大きな矛盾をはらんでしまうことになる。NPO活動している人達って、この辺りの問題点をどうやって解決しているのだろう?
それにしても、今回は「番長と遊ぼう!」のお題目「コスト削減」に応える形で書いてみたけれど、「魅惑のコスト削減術」とはほど遠い、鬱な話になってしまったなぁ(苦笑)。