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人を動かすものは何でしょうか?様々な「座右の銘」から、それを探っていきたいと思っています

Windows XP の延命にみるマイクロソフトのメリット・デメリット

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 MS、『顧客が望めば』Windows XP延命の可能性」は面白い記事だなぁ、と思って読みました。

この記事の中で、

ほとんどの小売業者は最新版のWindows Vistaを搭載したPCを販売しており、ほとんどのコンシューマーはVistaを選んでいると語った。

と書いてありますが、そりゃ、そうでしょう。多くの「ITの世界をよくご存知でない」一般の消費者は新しいもののほうが良いと思い込んでいる(しかもそれはたいていの場合正しい)し、実際多くの消費者はより新しいPC、新しいOSを望むでしょう。また小売店もその要望に応える責務がある上、

Microsoftは6月30日にWindows XPのコンピュータメーカーへのライセンス販売と小売り販売を終了するとしている。

近いうちに販売を終了するとメーカーから言われている製品を売ると、顧客に何を言われるかわかりません。

しかしそれは、あくまでも一般常識の範囲の話しだと思います。アメリカでも日本でも、それは大差ないでしょう。旧製品よりも新製品のほうが機能が充実していたり、デザインがかっこよかったり、同じ機能なら値段が下がっていたりするのが「フツー」で、PCの世界でもその「フツー」は成立すると誰もが信じて疑わないはずです。事実、今までは確かにそうでした。

残念ながら、私は(そしておそらくこの世界をよく知る大勢の方は)その「フツー」が、Windows Vista に限っては成立しないことに気づいています。そしてマイクロソフト自身もそのことに気づいていて、立場上気づかないふりをしているのだと思っています。

これは私の私見ですが、マイクロソフトはそろそろこの事実をちゃんと認めて、

 Windows Vista と Windows XP は併売します。
 どちらを選ぶかは、顧客のまったくの自由です。

というポリシーに変えてしまったほうが得策ではないかと思うのですが、どうでしょうか。

やりかたは色々あると思います。例えば

 Windows Vista Home Basic、または Home Premium を買うと、Windows XP Home Edition を
 インストールする権利もついてくる。他の Edition も同じ。
 ただし、同時に使えるわけではない。どちらかを選択するのみである。
 Windows XP Home Edition を買った場合は、Windows Vista にアップグレードする場合、
 新たにアップグレード版を買わなければならない。

なんてのはどうでしょう。PCメーカーも協力して、

 Windows Vista 搭載PCと Windows XP 搭載PCがラインナップされている。
 ただし、どちらを買っても同じ値段である。

とかね。そういえば昔、Windows NT と Windows 2000 の両方がインストールされていて、初めて起動したときにどちらを使うか選択する、というPCがありましたね(選択しなかったほうのOSは自動的に削除アンインストールされる)。

本当に Windows XP の販売がストップするなら、念のために2~3ライセンスほど買っておこうかなぁ。


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