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人材育成の現場で見聞きしたあれやこれやを徒然なるままに。

セミナーでも研修でも社内の会議でも「前」に陣取る。

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大木さんの今朝のエントリー「セミナーではペースメーカーになろう」を読み、共感しました。私は「前から2列目に座る」派ですが。

セミナーだけではなく、研修でも、いや、そういう学びの場でなくても。たとえば、社内の会議でも、もうすごーく後ろに座る人がいます。

前の席がうーんと空いているのに、最初から後ろに座る。もちろん、会議で、序列が決まっている、という場合は仕方ないのですが、そうでない場合は、とにかく前に座ればいいのに、と思います。

セミナー。たとえば、100人以上いるような会場で後ろに陣取ったら、場合によっては、スクリーンが見えないことがある。いや、見えているけれど、小さな字が見えないとか図が判別しづらいとか。

研修。スクール形式の配置で後ろに座ると、案外前の席の人のあたまが邪魔だったりします。邪魔でなくても、前の人の妙な動きが気になって集中できなくなることもあります。

講師や講演者と席が近いと、見やすい、聞きやすい、休み時間など講師に話しかけやすい、といったメリットがあるだけでなく、目の前に大勢のあたまがずらーっと並ばない分だけ、気が散りにくい、集中力をそがれにくいというリスク管理にもなります。(これもメリットです)

部門の全体会議などでもそうなんですよね。繰り返しますが序列がある場合は別として、そうでなければ、20代でも遠慮せず、どーんと前に座ればよい。

目の前で部門長がスピーチするのをかぶりつきで見る。聴く。とても大事なことのように思います。前に立って話す立場(マネージャになる、など)になると、部下たちが後ろから座る光景を見ているのは、かなりつらいものです。「ああ、そんなにこの全体会議がイヤなのか」などと思い、気合が入りにくくなります。(マネージャはエラそうに見えて、内心では、いろいろびくびくドキドキしているものです)

私は20代の頃から、後ろに陣取るのが嫌いで、近くに部長がいようが課長がいようが、つつつーーーーーっと前に行って、前から2番目くらいに座っていました。別にやる気満々なところをアピールしようというのではなく、単にその方が話が聞きやすいから、です。

生業である講師業の立場としても、聞き手が会場の後ろから座っていくのを見ているのは、かなりつらい。かなり、というか、相当つらい。ものすごくつらい。「ああ、いやいや来場されているのかなあぁ・・」と勘ぐってしまうこともあります。

一方で、「前列に座る方」を見ると、うれしい。やる気がより増します。

んで、セミナーとか講演会の場合は、時間よりも前に会場に行って、マイクテストなどしているので、前にお掛けになっている方に、声を掛け、ちょっとした雑談をすることもあります。開演(開講)前にです。

「どちらから?」とか「今日の目的は?」とか、複数トラックが走るものですと、「ほかにどの講座を?」などお尋ねして、会話するのです。

これで、参加者の様子がほんの少しわかりますし、来場者の一部とはいえ、言葉を交わしておくと、私自身も緊張がほぐれます。(←信じてもらえないかも知れませんが、すごーく上がります)

以前、ある雑誌の編集長から聞いたのですが、彼が駆け出しの記者のころ、先輩から強く言われたことがあるそうです。

「いいか、記者会見、記者発表などの時は、とにかく前に陣取れ。 やる気を見せるだけでなく、聞き逃しも防げるし、何よりも質問しやすい。 その場で最大限に自分の役割を発揮するためには、とにかく前に座るのだ」。

遅れて来て、もう最後列しか残っていない、というのであれば別ですが、早く来て前がうんと空いているなら、どーんと前に座ってしまうのが、自分にとっても、話者のモチベーションにとってもすごくよいことだと思います。

話者のモチベーションなんか、話者自身で考えろよ、と思うかも知れませんが、モチベーションなんてものは、相互作用で成り立つ部分もあるので、聞き手がうまくノセるってことも大切だと思っています。 ノリノリになったら、「いつも以上に張り切って面白い話をしました」という展開も期待できます。

あ、そういえば、海老一染之助染太郎さん。

「いつもより余計に回しておりまーーーーす」といって傘をぐるぐる回していましたが、前の席に座ってくれると、講演者は、「いつより張り切って話していまーーーーす」という感じになるものです。

というわけで、最後は、無事、昭和ネタで着地。

おあとがよろしいようで。

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