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ソフトウェア製品開発現場の視点

メールサーバーを Exchange Online へ移行する

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リアルコムは昨年、アメリカのシアトル近郊にある AskMe Corporation を買収したが、そのオフィスのコンピュータやネットワークの管理は、日本およびインド (元 AskMe の子会社で、現在はリアルコムの子会社) からリモートで行っている。現在は Realcom US となっている、Bellevue オフィスが移転することになったので、それまで社内に置いていた Exchange Server を廃止(実際はデータをそのまま参照用として残す)して Exchange Online を使う準備をしている。

日本でも Exchange Online のサービスが始まろうとしているが、アメリカのオフィスのサーバーの移転であることと、インドの管理者が英語でサポートを受けられないと困るので、アメリカですでに始まっているサービスに申し込んだ。

現在、日本のオフィスでは企業版の Gmail を使っているので、メールだけを考えると、その Gmail にアメリカとインドのメンバーを加えても良かったのだが、Exchange のスケジューリング機能が、Exchange 選定の決め手となった。Google Apps にもスケジューリング機能はついていて、個人や小グループのスケジューラとしては十分使えるが、50人が参加するミーティングのスケジュールは、Google のスケジューラではかなり厳しい。すでにアメリカとインドのメンバーが Outlook + Exchange を使う環境に慣れていることと、他に決め手となる案がなかったので、アメリカでちょうどサービスが始まっていた Exchange Online にすることにした。

Google Apps と簡単に比較すると、現在わかっているもので、Exchange Online が優れているのは...

1. スケジューリング機能がグループでも使える (ミーティングルームなどのリソースのスケジューリングもできる)
2. Outlook の同期機能が使える (POP でない)
3. Active Directory との連携ができる
4. 社内に Exchange を残して一部の人だけ Online を使うことも可能である
5. 支払いが月単位である (Gmail は年単位)

となる。逆に Exchange Online が劣っているのは...

1. 価格が企業向けの Gmail の2倍と高い
2. ストレージの容量が一人 5GB と Google の約 1/5 しかない
3. Mail とスケジューリング機能以外は、別のサービスになる (Google Apps には様々な機能が提供されている)
4. Web メールの機能は両サービスとも提供しているが、操作性では Gmail が圧倒的に良い。

といったところか。タイムゾーン関係の処理は、Gmail も Exchange Online もよくできている。

管理画面は、どちらも似たような形で、ユーザ追加などの管理機能のページが用意されている。すでに所有しているメールドメイン名に来たメールをこれらのサービスに配信するようにするやり方もほとんど同じである。Gmail に移行したときもそうであったが、今後バックアップ作業やハードウェアトラブルなどで、人やコンピュータリソースを使わなくてすむようになることは、小規模の会社にとっては非常に大きな利点である。

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