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報道の問題とインターネットの危険性

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ニューヨーク州の Buffalo (ナイアガラの近く) で、旅客機の墜落事故があって報道されたが、この報道に関して、2点気になったことがあった。

私が見たニュース情報は、Yahoo のニュースに表示された読売新聞の記事であったが、まず読売新聞の報道が、墜落した航空機が以前高知空港で胴体着陸をしたボンバルディア社製のDHC8-Q400 であったことが強調されすぎていたように感じた。今回の報道は事故があったことの報道で終わるべきだったと思うが、タイトルに「高知の胴体着陸と同型ボンバル機、住宅に墜落...」と書いたことで事故報道をボンバルディアの航空機の品質の問題とリンクしてしまった。まだ調査も始まっておらず、事故の原因が機体の問題かどうかなど全くわからないのにタイトルに「ボンバル機」と書くことで読者に「やっぱりまたボンバルディアか」という印象を持たせようとする意図が見える。ただ、タイトルにボンバル機と書いたことだけでは、まだ大きな問題ではなかった。

しかし、Yahoo のニュースに使われたこの事故のタイトルは、読売新聞のタイトルのままではなく修正が入り、「米旅客機墜落 またボンバル機」となってしまっていた。このタイトルだと、「またあのボンバルディアが問題を起こしました」というようにしか読めない。タイトルの文字数の制限があって、読売新聞のタイトルをそのまま使えないために、Yahoo 用にタイトルが変更されたように見えるが、結果的に読売新聞が事実の報道の枠内にとどめたものを、この変更がボンバルディアの問題を推測させるものにしてしまった。

インターネット上で、コンテンツの使い回しが広まってきたことで、情報の「伝言ゲーム化」が進み、途中に介在する人が意図するかしないかに関わらず、最終的に自分自身が受けとる情報が、元の情報の意図とは違った情報になっている可能性がある。その危険性を再認識させてくれる事象であった。


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