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ソフトウェア製品開発現場の視点

使いにくい日本語キーボード

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新しい PC を買うときに一番困るのは、標準としてついてくる日本語キーボードが使いにくいことである。日本語キーボードが JIS として制定される前は、各社ばらばらでアメリカ仕様のキーボードが使われることも多かったので、古くからコンピュータに関わってきた人には、アメリカ仕様のキーボードを使いたいという人も多い。

日本語キーボードとアメリカ仕様のキーボードにはキー配置の違いが若干あるが、私にとって最大の問題は、日本語キーボードでは、右シフトキーがほとんど使い物にならないことである。

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左の2つの写真の上側がアメリカ仕様キーボードで、下側が日本語キーボードである。赤で囲んだキーが Home Position で右手の小指が置かれる場所である。日本語キーボードは、小指の位置とシフトキーの間にキーが1つ多く入っていることがわかると思う。英語の大文字入力をするときにはシフトキーを使うが、キーボードの左側半分の位置にあるアルファベットの大文字の入力は、右手の小指でシフトキーを押すことになる。しかし、このシフトキーの位置が離れているために非常に使い勝手が悪い。むりに小指を伸ばして押すか、Home Position に自然に戻れないことを覚悟の上で、右手全体を右寄りに移動しなければならない。"Enter" キーもキー1つ分離れているので同じことがいえる。

キーボードは国ごとにその国の文字体系にあわせて若干配置が異なっている。たとえば、フランス語圏では、フランス語のアクセント記号が打ちやすいキーボードになっている。しかし、右シフトキーの位置が離れてしまっているのは、調べた限り日本語キーボードしかなかった。これは明確に JIS 規格の失敗であると言える。

同じように、形だけ取り入れて思想を入れることができなかったものとして、モールス信号がある。日本語のモールス信号の符号は、英語のほぼ ABC の順番に "いろは" の順番を対応させたものが規格として使われていた。たとえば、"・-" は、英語では "A" 日本語では "い" である。簡単に考えると、単純に符号を割り振るだけなので、順番などどうでも良いように思えるが、英語のモールス符号では、英語でもっとも頻繁に使われる "e" という文字に対応する符号として、もっとも短い "・" を意図的に割り振っていたのである。このもっとも効率的な "・" が日本語モールス符号では "へ" に割り振られている。調べたわけではないがどう考えても "へ" は最も頻繁に使われる文字ではない。

以前、blog にパーキングメーターについて書いたことがあるが、パーキングメーターも思想を取り入れきれていないもののひとつだ。良いものを取り入れていくことは大賛成であるが、そのときには、形だけでなくその思想まで含めて理解して実施すべきであろう。

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