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長いIT産業の経験の甲斐も無く、成長の無いIT音痴の思いこみと勘違いのなんでもコラム

筋金入りのLXerには叱られるかも知れないが、HP200LXに最もキータッチが近いWILLCOM W-ZERO3es

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もう忘れるくらい昔に、米国サニーベールのFry'sで「HP95LX」とドッキングステーションを買った。HP製の金融電卓では足し算だけの出張経費計算すらできない筆者が、そのHP95LXにはまった。今はシリコンバレーに居着いてしまった友人が最初にそのHP95LX用にに「かな漢字変換」を開発した。β版のそのプログラムを手に入れたその日から、筆者の日常持ち歩きパソコン?はHP95LX→HP100LX→HP200LXと健全な成長を遂げた。

その後、筆者は、ThinkPad220やPalmTopPC110の製品企画やマーケティングにも関わったが、それも、これらHP三兄弟の影響が大きかった。ThinkPad220やPalmTopPC110もそのそれぞれが、HP三兄弟を大きく越える機能強化もあったが、逆にそれを実現するために、また多くを失った。ITクライアント製品の企画は簡単な様で難しい。機能、サイズ、重量、駆動時間、使用目的、それらを見事に完璧に同時に満足出来る製品は希だ。おまけにユーザセグメントによってそれら特徴のウエイトは異なる。

敢えて言うなら、「製品バランス」が携帯型ITクライアントの企画開発において最も大事な要素なのかも知れない。そういう意味で、HP三兄弟は当時のIBMPC互換機系の人にとって「ベストバランス製品」だったろうと思う。

筆者が、最近毎日の様に愛用しているWILLCOM社 W-ZERO3esは、昨年末発表されたオリジナルモデルに比較して全般的に製品バランスに優れている。ザウルスで一世を風靡したシャープが全力を注ぎ込んだ気迫が十分伝わってくる製品だ。やはり昔、PalmPilotの日本語版に関わった時、比較の対象になったのはザウルスだった。筆者は、初代のシャープ電子手帳から、ザウルスの名前さえなかった初代「PV-F1」以降ほぼ全てのザウルス、米国内で販売されていたザウルス米国版「Wizard」のユーザでもあった。

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電子手帳時代には、その多くの年月を純粋な「国民的PDA」であったシャープ社のザウルスだが、押し寄せる米国Palm同盟軍を迎え撃ち、Linuxの採用で一皮むけ、米国で「Sidekick」スマートフォンを発売、そして遂に、国内でW-ZERO3を発表、一挙にグローバルな展開を行った。ブルーベリーを見ても、HP三兄弟を見ても、米国で重要なのはキーボードのバランスとクオリティだ。シャープ社の対応は、DOS/Vに追いつめられながらも、日の丸PCの意地を通して今もIBMPC互換機として健在なNECより遙かにスマートだ。

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ゴム質だが、カチカチとしたSidekickのキーボードは、HP200LXにも通じるモノがある。W-ZERO3esに持ち替えて文字入力操作を行っても指先に急激な感覚の変化は感じない。HP200LXにはサイズ的な余裕があり、その余裕がキー入力の感度をそれなりに向上させているが、W-ZERO3esのキータッチはHP200LXに極めて似ている。文字入力は、ペンでも無く、ジェスチャーでもなく、ポインティングデバイスでも無い、そう考えているLXerは一度は触れてみる価値があるだろう。恐らくHP200LXを知らない世代が商品企画をされていると思うが、キーボードの価値と、キーボードとは何かを知っている人間が関わっておられるのだろう。W-ZERO3esはラッキーだ!(^。=)

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