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長いIT産業の経験の甲斐も無く、成長の無いIT音痴の思いこみと勘違いのなんでもコラム

盗難のリスクがあるからといってモバイルワークを止められるか?!

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  昨今のモバイルPCマーケットを取り囲む環境を見ていると、どうも「モバイルPCの盗難や、社員の置き忘れ事件が多い故に、モバイルワークを止めよう!」という意見が多いように思える。

  本来のモバイルワークのスタート時点で、盗難や置き忘れのリスクを読まなかったわけでは無いだろうが、最近、ヤケに目立つのである。顕著になった本当の理由は、リスクの有無だけではなく、個人情報保護法の施行による「企業や個人の責任の持ち分範囲」が想定外に大きくなる可能性が高くなったからだろうと思う。

  Filesafer 既にWEB上には、著名な企業のモバイルPCの紛失や盗難事故に対するマネジメントの謝罪コメントの掲載が多く見られる。当事者にとってはちょっとした事でも、大きな関連被害を引き起こす可能性の高いデータを含んだパソコンの紛失は、周囲にそれなりに大きな影響や被害を与えてしまう。

  そこで、短絡的に、そういうことによって、「役員が謝罪する危険性があるくらいなら、はじめからモバイルワークに制限を加えてしまおう、もともとそれ程大した仕事を外でやってる訳じゃないだろう。。。」といった考え方も確かに一理はあるだろう。

  しかし、すでにモバイルワークは、企業のワークスタイルの一つとして定着し、それが社員のワークスタイル改革をサポートし、生産性を向上させ、最終的にはその企業の競争力に対して与えているプラスの影響も大きいはずだ。

  出来ることなら、プリ・モバイルの時代に逆戻りすることは冷静に考えたい企業も少なくは無いはずだ。企業や個人にとって、重要なのは機密管理と同時に、既に実践しているこなれた業務や個人のワークスタイルの定着性であることが意外と忘れられる傾向が強い。

  常に言われていることだが、セキュリティを語る時に、「たった一つの確実だと思われる方法でプロテクションすること」は意外と危険な落とし穴が多い。これはオフィスや自宅での資産の守り方も同じだ。玄関の鍵は当たり前、そして更に金庫や鍵のかかるロッカーで重要なモノは管理する。もちろんもっと重要なモノは、銀行の貸金庫の預けたり、ワイフのへそくりの様に意外な場所に保管することもアイデアだ。

  そして社員間や家族の間で、「セキュリティ」という目的に対して共通の意識と理解を持つことが何より重要だ。企業などでは、「セキュリティ・ポリシー」というモノを特別に取り決めているところが多いはずだ。これは家族間でも、お父さんと家族だけの経営によるコンビニショップも同じだ。朝、お店を開店するときや、深夜、お店を閉店するときの手続きや、処理順序などは暗黙の内に、そのプロシージャを決めているのが一般的だ。

  そして何より重要な、当事者や家族、社員などが共通の意志でセキュリティ・コントロールを考えている、実践している、時々は見直している、戸締まりのしっかりした家だ、お店だ、という情報や評判が自然と普及することが重要だ。出入り口に防犯ステッカーを貼ることや、警備会社のステッカーなどがオークションで売れていることを見れば、一般的に、多くの人はその効果は理解している。

  14 もちろん、それらの「見せびらかし行為」に、実力が伴うことが一番理想的だ。「FILSAFER PC-CARD」と呼ばれる(FILL SAFE : 安全で満たす)コクヨ社が発売しているモバイルPCのPCMCIAスロットに挿入する、加速度センサー内蔵の許可されない移動や盗難を常に監視する「番犬PCカード」は、それらの機能のほぼ全てをカバーする楽しくて効果のある商品だ。お約束の「虚仮威しステッカー」も付いているが、人によって怖いモノが異なるように、ステッカーの効果もまちまちだ。

  刑務所が怖い人もいれば、上司が怖い人も、そして、彼女が怖い人もいれば、ワイフが一番、と言う人もいる。本来は、そういう天敵を一瞬にして想像できるバーチャル画像が、窃盗をしようとする人の脳内に投射出来るか、モバイルPCを持ち歩く人が、モバイルPCの入った鞄を飲んだ帰りに地下鉄の網棚に乗せようとした瞬間に網膜に投影できれば、置き忘れることや、窃盗しようという根源的な要因はカット出来るだろうが、そんな時代が来るまで、FILSAFER PC-CARDはモバイルワークユーザに必要なTOOLだろう。機能などの詳しいことは、別コラムでご紹介している。

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