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長いIT産業の経験の甲斐も無く、成長の無いIT音痴の思いこみと勘違いのなんでもコラム

亜米利加かぶれの全てのIT業界人必読書!?「国家の品格」

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  土日は神保町、ウイークデイのランチタイムは近所の本屋、帰宅途上は上野駅構内の書店と、ほぼ本屋に行かない日は無い生活をしている筆者だが、昨年末から気になっていた「国家の品格」という書籍を昨日、やっと購入した。昨年末発売されたばかりなのに、既に15刷になっている。ベストセラーの2歩手前くらいなのかも知れない。。。

Hinkaku_of_country_1   実は筆者も、俗に言うIT産業系の企業と呼ばれる使い古された言葉の外資系「情報産業」に約30年勤め、今も、懲りずにその広い業界のあちこちに出没している。しかし、筆者の感覚では、このBLOGで誰かがお話しされていたのに反して、業界は意外と広いようで、筆者の知り合いはこのBLOGでは殆ど見掛けない。きっと仲間はもうじじいになってリタイヤしたのかも知れないし、ここは先端人の集まりの様なので、どこか世界が違うのかも知れない。

  今はどうか知らないが、そして全ての企業がそうであるかは知らないが、筆者の短い経験からも、IT系業界で重要なのは、「理屈」と「論理」であるという印象が強い。頭に「へ」が付かないのが唯一の救いだ。これは筆者が半分席を置いている大学も似たようなモノだが。。。。ときに、筆者も親戚や親、他業界に居る旧知の友人などから、「お前は理屈っぽい」といわれることも何度かあった。

  理屈っぽいと言うのと、昨今流行った「理屈を通して気持ちを無視する」というのとは少し違うだろうが、業界人では無いアカの他人の外野から見ると、殆ど同じに見えてもおかしくは無い。この書籍の著者である藤原正彦氏は、新田次郎と藤原ていの次男坊であり、数学の教授であるらしい。著者としてブランドが確立しているかどうかはこの際どうでも良いのだが。

  1日で、ほぼ全文を読み終えたが、この本、なかなかイケテルのである。今や、銀行預金の金利が0.025とか言うバクテリアの様な時代に、一方では円周率を約3と教えられた子供が少しずつ成長し、同じ子供が亜米利加を見習って小学校で株式投資教室に参加している。一度開いてしまったパンドラの箱は閉じることは出来ないが、不用意に蓋を開けてしまったという歴史の1ページに立ち会ったメンバーでもあるIT系企業の人達がこの書籍を読む価値は高い。

  よく言われてきた「無理が通れば道理が引っ込む」は今や、「理屈を通して道理を引っ込ます!」と表現するのが正しい時代なのかも知れない。もちろん、そういう世界以外もあるだろう、いやそういう世界こそがアナログの塊である人間の世界だろう、というのが本来の姿ではあるが、大きな力で別の世界に向かっているという感覚は多くの人達が感じている様な気がする。

  人と人、人とコンピュータ、そしてITワールドが目指すコンピュータとコンピュータのナチュラルで論理的な会話、ITの目指す世界はそんな狭い小さな世界意外に無いのだろうか。もしそれだけなら神が創造した65億の人類は地球には多すぎると考える人達がますます増えるだろう。「国家の品格」、、、昨今では珍しい骨の見える新書だと思った。

  「国家の品格」とスタバのカフェモカで丁度1000円、いや、今回は純国産のドトールにして40円のおつりがリーズナブルかもしれない。

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