ホビーでは無いが、24HR TRILOGY BOXとほぼ同じ値段のiPod nanoを発売日に買ったが、、、
先週の木曜日、友人が新しいiPod、「nano」が発売されていることを教えてくれた。お陰で、まさに買おうとしていた20GB版のカラーiPodを危うく買わずに済んだ。思えば、初代の重くて裏テカiPodを発売日に買ったことから始まり、その殆ど全てを買ってしまっている。昔なら、この辺りの新製品情報は、友人知人の全ての情報網を使って漏らさず集めて、発売日の一ヶ月も前には、ほぼ100%の知識は手に入れていた。なぜか、淋しいことに、最近は、殆どこの辺りの新製品情報には全く興味が無い。
春夏秋冬と定期的に発売されるモバイルPCは単なる仕事と原稿書きの道具となり、大凡そのスペックや機能が定型的になってきたPCには、既に昔の面白さや好奇心を満足させるSomething Newは殆ど無い。PDAは国内だけでは無く、本家本元の米国でも低迷を始めた。ケータイとPDAが歩み寄って似た道を歩み出した現在、ケータイの将来も誰もが予想できるようになり、恐らくこの先、ビックリするようなハプニングも起こりそうもない。
初めてのCDプレーヤーが発売されたアナログとデジタルのバトルが始まった頃には、まだまだオーディオはホビーの王様だったが、レーザーディスクだ、DVDだ、というマルチメディア的親類縁者が増え始めた頃から、斜に構えたオツムと耳しか必要のないオーディオは、ハイエンド・ホビー・オーディオと呼ばれる金満音響摩訶不思議世界と、国内生産市場を殲滅させたローエンド・ラジカセ的セグメントの二極分化を作り上げ、そして、加速してしまった。
昔は、勉強するか、あるいは、お金が必要だったジャンルの趣味が、経済成長とそれに伴う一億層中流意識現象で、一見ハイアラキーな趣味の山が崩れ、平坦でオーディナリーなモノとなり、昔、趣味だったと言えるオーディオやパソコンがごく普通の日常となった。もちろん、PCとオーディオ世界では、多少異なるが、現代でもそれらを趣味と言うなら、前者なら、それらを異常に数多く持っているとか、特種なこだわりをもったモデルに集中しているとかの異様な特徴が必要だ。後者の場合は、まだまだ金満力があれば、趣味だと言えるくらいの規模を実現できる市場構造はあるが、某S社の限定製品を全部揃えても、米国CESの新製品を手当たり次第に買っても何かむなしさが残りそうだ。
自分さえ満足すればそれが趣味の世界だ、という考え方もあるが、やはり相対的な規模感や客観的な達成感も欲しい気がする。米国では、個人でES9000等のメインフレームを自宅に導入し、カットオーバーの期限に追われることなく、「SEごっこ」や「PMごっこ」を楽しむ豪傑もいるらしいが、スケールの違いとはいえ、うらやましい限りだ。「趣味とは楽しみと研究と向上が必要である」という言葉を何処かで聞いたことがあるが、自然の少ない都会の趣味人にとって、21世紀は住みにくい世界になりそうだ。しばらくは、nanoと同時にBICで買った24HR TRILOGYを半年くらいかけてじっくり見て、死ぬまで楽しめる次世代趣味を考えようと思う。楽器、ステーショナリー、自転車、旅行、いずれでも良いが、Blogが趣味、ということだけは避けようと思う。(^。=)