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SI産業は斜陽産業ではない。成長産業だ!?

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昨今システムインテグレーション(SI)業界は、斜陽産業だ!という話をよく業界で耳にします。しかしここ近年の話であり、マクロ的に見ると成長産業だと言えるのです。
前回、人月積算ビジネスが崩壊しているのはなぜか!!を書いたが、なぜこんなことが続けられたかというと基本的にはシステム開発の需要が右肩あがりであったからです。

さてSI業界の歴史を見てみましょう。

IT業界の変遷.png

出典:経済産業省・特定サービス産業実態調査

マクロ的に見るとシステム開発する業界は、成長が鈍化する期間もあったが、基本的には新たな技術トレンドを生み出しそれをうまく商売に結びつかせ成長してきました。

SI産業が急成長したのが1970年代〜80年代。NTTデータ(1988)や、NSSOL(1980) CTC(1972)、NRI(1965)、SCSK(1969)など次々に今言われるSIerが生まれました。

この時代は、メンフレームで銀行のシステムなど巨大なシステムを作ったり、一般業務にITが利用し始めた時代でした。そこから、クライアントサーバーの時代、メインフレームからUNIXへのダウンサイジングの時代の波に乗り成長しました。一時的にパッケージ化の流れで危機的な状況が訪れるかと思われたのですが、パッケージを業務に合わせるという理由で、多くのカスタマイズを施すことにより、この危機を商売につなげてきました。
そしてWebの時代、徐々に開発生産性も上がってきましたが、Web開発の需要が急拡大してきました。人月単価が下がったり、開発生産性が上がり開発期間が短くなったとしても、それを上回る需要がどんどん出てきたのです。

SI企業の大きな特徴は、エンジニアを社員として雇用しそれを稼働し続けなければ、赤字になるということです。いわゆる工場と同じ仕組みです。限界まで機械を稼働させ投資効率を高めるのと同じです。今までは需要が拡大していたので、単価が下がろうと稼働し続けることが可能でした。そして需要の一時的上がり下がりは、多重な請負契約で、子会社、孫会社に受けおわすことで調整弁としてうまく機能してきました。

このように過去を見てみると、2009年あたりまでは、うまく市場に適用し業界の維持拡大をしてきており、基本的には、システム開発需要は高まり成長産業であった!ということが言えると思います。

これが2009年あたりからうまくいかなくなります。次回は2009年以降を見ていきます。

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Takeaway〜SI産業は今までの歴史から見ると成長産業であった!!
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