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ストレスチェック? まだあわてるような時間じゃない

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 平成27年12月1日より、労働安全衛生法に基づく「ストレスチェック制度」が施行されました。
 今年はマイナンバー制度の導入など他にも大きな動きがいくつかあり、今ごろ必死で対応している方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 さて、実は以前にもストレスチェック制度を取り上げたのですが、平成27年11月30日に「心理的な負担の程度を把握するための検査及び面接指導の実施並びに面接指導結果に基づき事業者が講ずべき措置に関する指針(ストレスチェック指針)」を含む4指針が改正されていたりと、以前とは異なる部分が出てきていたりします。
 いや、直前すぎ!!

 その指針が、厚生労働省ではなく「こころの耳」の方で公開していました。
 ・・・ので、念のためもう一度ストレスチェックを取り上げておこうかと思います。

 しかし、関連資料を含めなくても120ページ以上ある実施マニュアルを詳細に解説するのもアレですので、十分にマニュアルを読み込むのは各事業所の衛生委員会の方々にお任せするとして、全体でいくつか気になる部分をちょっとつまんでみたいと思います。
 改訂に関係あるものも、ないものもごちゃ混ぜですが、ここではチェックするにとどめて、詳しくは指針やQ&Aなどを見てください。


●ストレスチェック制度は、メンタルヘルス不調の未然防止を第一義としています。

 メンタルヘルス対策には「3つの予防」と呼ばれるものがあります。 未然防止(一次予防)、早期発見と適切な対応(二次予防)、復帰支援(三次予防)です。
 一次予防以外は、「自分の知ってる予防と違う」という気がしなくもないですが、一応こう定義されています。

 以前にも述べたようにメンタルヘルス不調は復帰が難しく、しかも生産性損失がとても大きい・・・さらに言えば、労働者がメンタルヘルス不調に陥った場合、労働者にとっては自分の人生が大きく左右されるわけです。
 が、多くの人は意識的にか無意識的にか、それに気づかないようにしています。

 そこで重症になる前に、適切な対処をいつでも行うことができるように、まずは自分のストレス状態に気づいてもらおうと。 気付きを促して、なんとか重すぎる第一歩を踏み出そうというのが、このストレスチェック制度です。

 ところが、マニュアルの大半を占めるのは高ストレス者が出た場合の流れなどで、これらは二次予防以降に該当するものです。 恐らく120ページのマニュアルを読んでいるうちに最初の意義など忘れてしまうでしょうが、大事なことなので書きました。
 各事業所の衛生委員会は、労働者にこれを分かりやすく伝える方法を検討する必要があります。


●アドバイスを無料で受けられます。

 労働者健康福祉機構で、ストレスチェック制度サポートダイヤルという電話相談窓口を開設しています。(※通話料がかかります)
 実際にかけてみたところ、数回の掛け直しで普通に繋がったので、今のところ回線がパンクというような状態ではなさそうです。

 また、各都道府県の産業保健総合支援センターで無料の研修・セミナーを行っているようですので、そちらに参加してみるのもよいかもしれません。

 その他に「こころの耳」の改正労働安全衛生法のポイントに、産業保健総合支援センターでストレスチェック制度導入のための個別訪問による支援を行っているとの記述がありましたが、産業保健総合支援センターのサイトでは、ぱっと見で分かるところには書いていない感じでした。
 こちらは、電話等で確認してみた方がいいかもしれません。


●事業者の義務であって、労働者の義務ではありません。

 労働安全衛生法第六十六条の十では、「事業者は、労働者に対し~(中略)~検査を行わなければならない。」となっているため、事業者に対しては義務となります。

 一方、労働者はどうかというと、受検を義務付ける規定はありません
 全ての労働者がストレスチェックを受けるのが望ましいとはしていますが、メンタルヘルス不調の労働者などは受検自体がストレスになる可能性があるため、その辺を考慮した結果のようです。


●ストレスチェックは年に1回(以上)、定期で・・・第1回目は、来年の11月30日までに行いましょう。

 あわてる必要なかったー!!

 ちなみに11月30日までに実施する必要があるのは、チェックまででいいようです。
 むしろ、提出の義務がある「心理的な負担の程度を把握するための検査結果等報告書」について、OCRで読み取り可能な様式が公表されるのが来年3月下旬で、提出は4月1日以降となるそうなので、あまり早くやり過ぎてもという気がしなくもありません。
 ・・・今後、改訂が入る可能性もありますし。

 とはいえ、実施するのであれば、11月末まで引き延ばさない方が身のためでしょう。
 事前準備も結構ありますので、この時期までで安心と思っていると、恐らく間に合わなくなる可能性が出てくると思われます。

 1年のうちに複数回実施した場合、報告の義務があるのは定期の1回のみですが、情報の取り扱いなどに関してはストレスチェック制度に準拠する必要があります。


●ストレスチェックは一部分、または、全体を委託できます。

 ストレスチェックは一部分、または、全体を外部業者に委託できます。
 委託内容は業者により様々ですが、基本的な知識やセキュリティのことなどもあるので、まずは前述の無料で相談できるところに色々と聞いてみるのが良いかもしれません。


●労働基準監督署に報告書を提出する義務があります。

 提出義務があるのは、検査結果等報告書(様式第6号の2)の様式に基づいた報告で、受検人数や面接人数、在籍労働者数、集団分析実施の有無などを報告する必要があります。
 個人のどうこうを把握されるわけではありません

 この報告書の様式はすでに公開されていますが、前述したようにOCRで読み取り可能な様式が来年3月下旬公表される予定で、そちらでしか報告を受け付けないようです。
 提出は、4月から受け付けるようです。

 《次回に続きます》


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