認知を扱うカウンセリングを受けてみましょう
一般意味論を知ることで、普段使用している言葉の中には知らなければ気づかない罠が沢山あり、知らないうちに無意味に自分を情緒不安定にしていること・・・そして一般意味論を体現することで、様々なことに自分自身で気を付けることができ、それによって精神を安定させ、人生に余裕を与え、仕事などのパフォーマンスも上げることができることを書いてきました。
どのくらい変わるかというと、「・・・なぜ、いままで無駄に人生ハードモードで生きてきたんだろう?」と考えてしまうくらい違います(※個人の感想です)。
が、この一般意味論・・・詳しく載っている本(訳書)は、ページ数がそこそこなので気軽に読めるかと思いきや、字が小さく、(何分古い本なので)文章が固くて、正直、読むのが結構大変です。
しかも、原本にあったであろう後半の実践編が、訳書ではカットされております。
(※それを補うことができるであろう、別の本の訳書はあります)
この本を一般の方に薦めるのも、なかなか難しいんじゃないかと思うのですが、しかしながらこの一般意味論のエッセンスに簡単に触れる方法があります。
その代表的な例が、認知療法とREBT(人生哲学感情心理療法)です。
認知療法では、まず、報告・推論・断定の(問題に大きくかかわっている)推論部分に、REBTでは(同じく、問題に大きくかかわっている)断定部分に焦点を当て、正しい報告の文章をにすることによって情緒を安定させます。
(※技法はそれだけではありませんが、主軸となる技法に組み込まれています)
たとえば、認知療法の認知再構成法では、自動思考と呼ばれる一連の推論を見ていきます。
- A君は、ひどいことを言いそうな人だ(推論)
- 今もきっとA君は、ひどいことを言っているに違いない(推論)
- いつもひどいことばかり言いやがって! 許せない奴だ!(現実との混同、過度の一般化、感情:怒り)
以下の文章は、この推論を報告に直した例です。
- A君は何度かひどいことを言ったことがあるかもしれないが、彼の発言のすべてが酷いわけではない。 良いところも悪いところもある、普通の人間である。(報告)
- 今、A君が何をしているかは、わからない(報告)
- ひどいことを言ったことはあるかもしれないが、いつもではない(報告)
もちろんこれらはただの例で、実際のA君と来談者の関係性などによって内容は変わってくるでしょうが、だいぶ印象も、想起される感情も変わってくるのではないかと思います。 また、A君が本当にひどいことを会うたびに言う人間だったとしても、推論に感情をぶつける段階を超えることで、その事実を確認したうえで、国家機関や権力者に間に入ってもらうなどの現実的な対処を考えられるようになります。
REBTでは、主に無意識下に潜在する断定を見つけ出します。
(※これは、認知療法におけるルールやスキーマなどにあたります)
- 誰も、私に傷つけるような言葉を投げかけてはならない(断定)
- そんな言葉を私に言う奴は最低だ(断定)
これらの文章は「誰も私を傷つけない状態が好き」ということと「私を傷つける人が嫌い」ということを意味し、その自分ルールを相手に強要しています。
これら文章に事実であるという証拠はありませんし、飛躍があり論理的な文章とも言えません。 これら文章を信じ込んだとして、何かいいことがあるかと考えても、単なる他人をけなし自分が怒りをエスカレートさせるためのスイッチでしかなく、いいことなど起こりようもないでしょう。
(※もしかするとですが、プログラマーはif文を構築してもらうと分かりやすいかもしれません)
この文章を現実的な哲学にすると、以下のようになります。
- 私が傷つくような言葉を誰にも投げかけてほしくはないが、一生そのような言葉を避けて生きることは困難である。 残念だが仕方のないことだ(報告)
- もし、私を傷つける言葉を言う人がいたとしても、その行為自体はよくないことだが、その人のすべてが最低なわけではない(報告)
- もし傷つけられるような言葉を投げかけられたとしても、そのような言葉に流されることなく、私は自分自身を受け入れることができる(新たな哲学)
この新たな哲学を、古い考え方より自然に強く信じられるように努力し、また自分自身を支持する技法を身につけていくことで、実際に傷つくような言葉を投げかける人がいようが、いまいが、この件に関してネガティブな感情をエスカレートさせることがなくなります。
また、古い考え方を持ち続けていたら起こるであろう別の問題に、この先も難なく対処することができるようになるのです。
これら認知を取り扱うカウンセリングは、エスカレートした感情への対応に明確な根拠を与えてくれます。
普通の人であれば、緊張したときや怒っているときに「落ち着こう」などと言ったり、悲しんでいるときに「悲しんでいては駄目だ」と言ったりしたことがあると思います。 それらの言葉は多少の効果を表すかもしれませんが、根拠がないため効果が薄かったり、何度も同じことを繰り返したりするのです。
しかし、「落ち着こう」「悲しんでいては駄目だ」などの直接的な言葉では解決できない感情問題も、推論や断定を排除し、報告の文章に改めた明確な根拠を支持するだけで、自然にエスカレートした感情を健康的な範疇に収めることができます。
これら認知療法、REBTの技法は比較的分かりやすい構造で、何度か受けているうちにやり方を覚えることができます。 やり方を覚えることで、自分が自分自身のカウンセラーとなり、より多くの問題に対応する力を身につけることができるのです。 これを、セルフヘルプと言います。
このような状態までたどり着くことができれば、自分でうまく対処できなかった時だけ、ほんの少しカウンセラーに手を貸してもらえばいいだけになるのです。
どうでしょう?
一般意味論をすべて覚えなくても、そのエッセンスを含んだカウンセリングを受けることで、無駄なハードモードから解放されるかもしれません。
まずは、自分の人生がハードモードであることに気づいていない状態から、抜け出してみませんか?
(※何度も書いていますが、カウンセリングはすべての問題を解決できるものではありません・・・念のため)
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