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小学校低学年の子を持つ親がチョウの飼育をはじめるべき5の理由

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夏休みですね。子供にはうれしい、親はちょっとなんで家にずっと子供が居るんだよ的なつらい季節でございます(あるあるネタ)。うちは夏休みはいってすぐに法事の関係で帰省していたので、やっと今日から自宅に子供が朝から居る状態がスタートしまして、朝から大騒ぎのなか会社に来た感じです。

さて、出オチ気味ですが、数年間やってきて今回ぼくは表題のことを強く訴えたいのです。小学校低学年の子を持つ親はぜひチョウの飼育をはじめましょう。いや、いますぐはじめろ!

生き物を飼う、ってことが子供にとって良い影響を与えるだろう、というのは(実際のデータがあるかどうかはともかく)なんとなく合意が取れそうな言説かと思います。そこでぼくはチョウの飼育を強くオススメしたい。

その理由をいくつか書いていきましょう。

1.ライフサイクルがおよそ2週間程度

生き物ならペットで良いじゃんという話もあります。たとえばペットを飼うときの問題点として、低学年の小学生が世話をするのがほぼ無理だというのがまずあります。結果的に両親がケアの多くを担当することになるわけですが、それがずっと続くわけです。これはよくある話ではありますが、なんにせよ親にとっては負担が増えるわけです。

その点、昆虫は一生が短い。なかでもチョウは観察に適度な長さだと思います。アゲハチョウが孵化して成虫になるまではだいたい2週間くらい。子供が飽きてしまっても安心な期間です。これがカブトムシとかだと幼虫の期間が長く、長い割りにはケアが必要なのでたぶん飽きます(ずっと潜ってるしね)

愛着を育てるという意味ではもちろん寿命が長いことにも意味がありますが、気楽に触れあえるというのも意味があります。2週間あれば、愛着もちょうどわくくらいの期間です。旅行対策も簡単です。元居た場所に逃がしてしまえばひとまず無駄な殺生はさけられます(ひとの手で一度育てたものを自然に戻すことは場合によっては問題もありますが、街中で普通に見る種類でかつ、少ない数ならばそこまで問題にはならないでしょう)

2.準備・世話が簡単

チョウの飼育に必要なものはほとんどありません。

  • ケージ
  • オアシス(100均などで買えます。花を生けるヤツです)
  • 新聞紙

あとは割り箸とかラップとかを少量使います。幼虫に寄生するハエやハチをさけるために蠅よけのシートもあると良いのですがまあ室内ならなくてもいいです(その場合はあまり窓際に置かない方が良いかも)。夏場は100均でカブトムシ用の蠅よけシートが買えますのでそれでもいいでしょう。カブトムシとかなら100均でも飼育セットが手に入るので大きなアドバンテージではないかも知れません。

世話が簡単なのはチョウのアドバンテージかも知れません。掃除も新聞紙をたまに取り替えて、枯れた枝を捨てる、オアシス水をやるくらいです。これも土などの入れ替えなんかが必要な昆虫に比べて圧倒的にらくちんです。

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▲オアシスはこんなの

ちゃんとした準備の仕方を調べたければググってみて下さい。いろいろ丁寧に書いてありますが、適当でも何とかなります。

3.餌が容易に手に入る

チョウの餌は葉っぱです。肉食の生き物に比べて餌は圧倒的に探しやすいです。もともと身近にいるチョウを育てるのであれば、その葉っぱもまた身近にあるので餌が用意しやすいのもポイントです。昆虫ゼリーとかを買ってくる必要は一切ありません。そのへんでむしってきて下さい。

4.完全変態である

チョウの良いところは完全変態だという点です。幼虫の姿が蛹になって、劇的な変化を遂げてチョウに変わるところは生命の神秘を身近に感じさせるものがあります。バッタとかカマキリとかは、幼虫があんまりかわらないのでその点感動が薄い気がしてます。

カブトムシも完全変態ですが、サナギがネタバレ気味なんだよなぁ。その点チョウのサナギはまるで成虫と関係ない形をしていてすばらしいですね。チョウによって異なるサナギもみどころです。ツマグロヒョウモンのサナギなんか、謎の金属光沢なんかがあって神秘ですよ。

5.お母さん対策

虫が苦手というお母さんは多いです。お父さんもいますね。卵から買うことで少しは苦手意識を減らせるかもしれません。無理かなぁ。幼虫かわいいんですけどねえ。

コツとしてはたくさんいっぺんに飼わないことです。自宅で飼っていると自然と違って天敵が居ないので、とってきただけ孵化して成長してしまいます。イモムシでひしめきあってるケージはさすがに虫の苦手な人には辛いでしょう。飼うとしても2匹くらいにしておきましょう。

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▲苦手な方(がここまで読み進めてるとは思えませんが)のために小さめにしておきます

てなわけで、チョウの飼育がオススメな理由おわかり頂けたでしょうか。身近なチョウであることにも意味があります。そのへんに飛んでいる生き物がどういうふうに生まれて、その姿になるかを学ぶことには価値があることだと思います。あと、昆虫を飼っていると、街を観察するようになります。意外と都市にもたくさん昆虫が居ることも分かって、大人にとっても新たな発見があると思います。

試しにやってみてはいかがでしょうか?

おまけ:どんなチョウがおすすめか

育てる上では「幼虫・たまごの確保」「餌の確保」をメインに考えると良いです。

チョウによって食べる草は異なります。蝶の幼虫自体を見つけるのもその草をまず見つける必要があります。これによっていろいろ難易度が変わるので、身近なチョウをいくつか、ご紹介しましょう。それぞれの一長一短があります。

とはいうものの、虫マニアではないので本当にそのへんにいるチョウしかわかりません。珍しいチョウを育てたいとか難しい飼育にチャレンジしたい、という気持ちはあんまりありません。あくまでも「気軽にチョウの飼育が出来る」ことがポイントです。

ナミアゲハ:代表的なアゲハチョウです。昔学校で育てた、って方もいるのでは? 餌はカラタチやミカンなど柑橘系の植物です。これらは植木ではけっこうみるんですが、葉を勝手に持っていくわけにはいきません。あるていど親しいご近所の家で、庭木にこの手の樹木があるのであれば、子供に交渉させるのもいいとおもいます。あとは学校に木があればおそらくとっても良いと言われるでしょう。公園に生えてていることはあまりありませんが、ないわけじゃないです。カラタチの植え込みとかあるかもしれません。サンショウも食べるようですが、ミカン類の方が見つけやすいです。採る際にはトゲに気をつけましょう。ぼくは取ったときにいつもトゲを全部切っちゃいます。

キアゲハ:こいつはナミアゲハとおなじアゲハですが、パセリとかセリ、人参なんかを食べます。餌の確保が難しいです。近くに畑があるとたくさん飛んでいるかも知れませんが、畑のものを抜いてくるわけにはいきません。自宅の家庭菜園とかで育てているのであれば、ありかもしれません(たいてい大量発生で丸裸にしちゃうので嫌われてますが)。ちなみに、市販の人参の葉っぱを食べさせれば良いと思うかも知れませんが、たいていは農薬がついていて食べさせると死んでしまいます。

アオスジアゲハ:クスノキ・タブノキを食べます。餌の確保は比較的容易です。クスノキは街路樹にも多いですし、公園にもたくさん生えています。本来、公園の木の枝を折るのはルール違反ですが、クスノキの下に生えている幼い枝なんかはどうせ公園整備で切られてしまうので、子供たちが少しくらいとるのは許容してもらえるんじゃないかと思います。アオスジアゲハどちらかというと幼虫を捕る方が難しいです。経験上、クスノキよりタブノキのほうが幼虫が見つかります。植え込みの中にタブノキが混ざっていたりすると葉裏に潜んでることがあります。

ツマグロヒョウモン:住宅街や公園で大量に育てられているパンジーを食べるので、よく街中で見ます。幼虫も良く道を歩いていたりします。ただ、さすがにパンジーの葉をむしっていい場所があるはずもありません(ご自分の庭にあるのであればそれも手ですが)。さがすのはスミレです。雑草としてアスファルトの間から生えているケースがけっこうあります。雑草とはいえ綺麗な花が咲くので、周りを見て誰か育ててるつもりで生やしているのかを確認してから取ると良いでしょう。弱点は、草なのですぐに萎れてしまい、けっこう頻繁に取ってくる必要があるところです。オアシスに指しておいても2日くらいで変色してしまいます(上で上げたアゲハの食べるクスノキやカラタチなんかは木本なのでもうちょっと持ちます)幼虫は真っ黒で、触っても大丈夫? と思われるかも知れませんが、毒はありません。

モンシロチョウ:代表的な餌はキャベツです(アブラナとかも)。たまにキャベツを切ってると出てくるやつはこいつです。こいつも市販のキャベツだと農薬で死ぬようですね。アブラナもそうそうとってこれないですし、ぼくは育てたことはありません。

モンキチョウ:クローバーの葉を食べます。餌は簡単に見つかりますが、土ごと採ってこないとすぐに萎れてしまって、食べてくれません。あと、クローバーは数が多すぎて、以外と幼虫を見つけるのが難しいです。食べた跡が見つかればいることもありますが……。偶然むすこが採ってきたクローバーについてた幼虫が成虫に成長したことはありますが、卵から育てたことはありません。

オオスカシバ:チョウではなくガですが、比較的餌となる葉っぱが採りやすいのでおすすめです。こちらはクチナシが餌になります。クチナシは街路樹や公園によく植えられています。剪定が間に合ってなくて伸び放題になってるものなら、採ってきてもそう問題にはならないでしょう。ちょっとイモムシ然としているので苦手な方は苦手かも。

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