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カーボンフットプリント・データベース アジアワークショップ

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いま、LCAの計算ソフトである MiLCA の開発をお手伝いさせていただいています。その関係で、「カーボンフットプリント・データベース アジアワークショップ」というのを聴いてきました。

カーボンフットプリントというのはご存じの方もいると思いますが、製品のCO2排出量を製品に表示するためのラベルのことです。消費者が環境に配慮した製品を選ぶための指標にしてもらう、というようなことを目的としてるようです(詳しくはこのへんをごらんください)。こういった取り組みは世界各国で行われているようです。

さて、製品の排出量を計算するためには、その元になる原材料やエネルギーのCO2排出量が必要になります。日本でもそういったデータベースが作られています(カーボンフットプリントに利用できる排出量のリストは公開されています)。各国にカーボンフットプリントの取り組みがあると言うことは、こういったデータベースも各国ごとに持っていると言うことです。その動向についての情報を各国の研究者が報告するというようなワークショップでした(ワークショップと言ってもお話を聞くだけですが)

MiLCAの開発で、LCAの基本的なところはだいたい分かっているので、各国の方の話もそれほど難しくはありませんでした。みなさん似たようなところで悩んでいたり、似たようなアプローチをとっている印象を受けました。ひとつの製品の排出量を算出するのも大変そうです。

ソフトウェア開発者側として動向が気になるのは、データ交換の話題です。日本で作成されたデータは当然日本のデータを強く反映しています。、たとえば工場を海外に持つ企業が製品を作るときなど、国内のデータだけでは正しく排出量を見積もることができなくなります。海外のデータも文献などから作成しているケースもあるようですがその数は多くありません。そのとき、海外で作成されたデータベースとデータの連係ができると助かることと思います。しかし、そう単純ではありません。排出量などは、データの作成の仕方でまったく変わってきます。これまで別のデータを仕方なく使っていたのを、よりふさわしいデータが作成されたので、そのデータを使ったところ、方法論の違いでかえって排出量が増えてしまう、なんてこともあり得ます。

今後はデータ交換は重要な機能なんだなと改めて感じました(もともと開発のロードマップには入っておりますが)。もっとも、こういったことはソフトウェアで解決できる部分はそんなに大きくありません。ソフトウェア側で何かをやらなければならないとすれば、各国が持っているソフトウェアの出力フォーマットを適切に取り込めるようにする、だとか、データの作成時の条件などを利用ユーザが適切に閲覧でききるようにする、などの補助的な部分かとは思います。データを作成する研究者や各企業の方へ方法論をすりあわせやこれから作成しようとする企業の方へのアナウンスなど、交渉の部分が大きいのかな、というのは感じています。

(MiLCAはCO2排出量だけでなく、そのほかの環境負荷も算出できるように作られていますが、カーボンフットプリントの話題なので上記では排出量と書いてあります)

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