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エンタープライズ(企業)向けのオープンソースとか育児とかについて考えていきます。

周回遅れで事業仕分けに言及してみる

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こんにちは。もう12月に入ってしまいました。書こうとすると気負ってしまっていけません。あまりオープンソースとかを気にしないようにしようかと思います(いいのか?)さて、旧聞に属する話ですが、先月は事業仕分けの話題が世間を賑わしていましたね。いまだに「予算を削減」という結論を出された業界の、各団体から緊急提言が出たりしています(つい先日は音楽業界から出ていました。内容は科学者たちと同じで「結果はすぐでないから削減しないで」というものですね)

そんなわけで、僕もけっこう気にして仕分けの結果を追っていたりしました。はじめはやはりスパコンの話題が中心に追ってましたが、途中で気になったのが漢方薬の件でした。僕も知り合いから「漢方薬が保険対象外の方向で決定したので、反対の署名を」というのをもらいました。「決定」という言葉が本当なら大変そうだ、と思い、自分でも仕分けの音声を聞いたんですが、それを聞く限り「対象外の方向で決定」みたいな言い回しはちょっと言いすぎだなあ、と思い、個人情報を渡してまでの署名をするのは見合わせたりしました。たぶん署名活動をされた方は、切実な思いでそう書いたのでしょうけれど、「対象外を検討する範囲に漢方薬も入っているので、入れないようにお願いしよう」というのと「漢方薬が対象外と決定したのでやめてくれと言おう」では、微妙ですがニュアンスが違うように感じたからです(同じことを言ってるのではないか、と思う方は署名をされれば良いとは思いますが、いくら崇高な目的であっても、その署名の目的の部分は冷静にかつ正確に書くべきだと僕は思っていますので)

ただ、仕分け結果のシートを見ると、仕分け作業中に仕分け人がいろいろ言っていた議論はどこかへいってしまい、範囲を決めるのは厚労省の裁量に任されるようになっています。仕分けの音声だけを聞くと、漢方薬の除外はまずないように感じますが、この結論のシートだけ見て議論を参照しないというようなことが厚労省内で行われてしまうと、確かに可能性はありえるな、と思わせます。というか新政権と同じくらい厚労省が信用されていない。新政権が信用がないのはまだ実績がないからしかたない部分がありますが、厚労省が信用されてないのは悪い側の実績を元にしていますから、なかなかそれを「大丈夫です、除外はまずありません」と言い切るのは難しいでしょうね(なので、そこまで考えて署名をした人については気持ちがわかります)

ただ、途中からとある有名なブログがこの署名の依頼文を「デマ」と言い始めたのでややこしくなりましたね。まるで漢方薬対象外が結論であるかのような言い方は不正確ですが、意図的に流言をしたというような印象は受けませんでしたので、デマというのは言い過ぎだと感じます。さらには、署名に賛同する人、それをデマという人、デマという人をののしる人、などのやりとりがなされはじめ、なんだか政治思想のポジショントークみたいになってきたのでそれ以上はおっていません(陰謀論まで出てきて笑うしかない)。僕はむしろ途中から「ところで、漢方薬ってエビデンスあるんでしたっけ」のほうが気になってきたので、そっちの話を調べたりしてました。これは別の話なのでここでは書きませんが。

この件、知人の現役の医師とお話をしたのですが、現場から見るといろいろな仕分けの結果はかなり驚異に感じておられるようです。このあたり、各業界からの緊急提言ともつながるところがありますね。仕分けでよくわからん人がよくわからないまま何かを削減していくのが不安だ、ということです。わかります。僕も仕分けの意義がよくわかっていません。いや、まあ、無駄を省くというのはわかりますが、位置づけとかどういった方針なのかとかわからない部分は多いです。

そこで、ちょっと調べてみると事業仕分け長であった枝野幸男議員のサイトに、彼自身がその意義を語っている音声があり、それを文字興しされているブログがありました。これはとてもわかりやすいです。

たとえば「仕分けは決定事項ではなく、あとは政治的判断で最終的に決まる」ということも明言しています。それをもって「じゃあ仕分けなんてただのパフォーマンスだ。意味なんかない」という意見もあるかとは思います。僕はこれはちょっと違うなと思いまして、パフォーマンスであること自体はけっこう大事だったのではないかと思うわけです。枝野議員も書いていますが、「公開でなされた仕分けの議論およびその結果を政治的に覆してもいいが、覆すならそれ相応の説明が必要ですよ」ということですよね。これはパフォーマンスがパフォーマンスであればあるほどハードルが高くなる、ということでしょう。国民が納得しないような政治的決着は結局の支持率などに跳ね返ってきますから、言っていることはわかります……ただね、わかるんですが、それも理想的な状態であれば、ということですよね。仕分けの議論自体が稚拙だと確かにハードルとして成立しないので、茶番という意見もわからないではないんですよね。

さて、いちばん気になるのはやはり科学とか文化事業に対する圧縮ですね。それにもかなり多く言葉をさいていてくれます。仕分けでは振興費そのものを削る意図はなくて、そこに介在する団体や建物が無駄に予算を奪っており、適切な配分ができていないんじゃないか、ということを仕分けたかった、と。彼らも大事なことは大事であるし、すぐに結果が出るものばかりではないことをわかっている。しかし、大事なことをするために無駄がないですか、ということですね。こちらも書いていることは筋はそれなりに通りますし、実際の仕分けを聞くと確かにそういった意図で仕分けしてるな、というのは理解できます。が、僕はやはり心配なのはやはり結論の一人歩きではないかと思います。いくら仕分けでそういう意図をもって結論を出したからって、各省庁や政府がそれを逆に削減のお墨付きととらえて、本当に削減したいところが温存され、仕分け人でさえ削減に反対していたところが、削減されてしまうのではかえって悪いことになってしまいます。それっていちばん最悪ですよね。そういった意味でこの後ちゃんと政府がこれらの削減について最後まで目を光らせてくれるのかどうかチェックしていかなくてはいけないですね。そんなプレッシャーを与える意味では、科学者たちの提言がたくさん出ていることにはいちおうの意味があるのかな、と思ったりはします(なんだか提言の内容見ると誤解も多いのは問題ではあると感じますが……)

僕自身は民主党には投票してませんし、今もあまり信用しているわけではないのですが、やりかけで力尽きられては困る、という気持ちですね。

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