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ビジネスモバイルITベンチャー実録【朝メール】から抜粋します

占いや血液型を恐れず好意的に考える方法

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★感情に巻き込まれて悩んで止まってしまうことが人生の最大の不幸です。だから、占いとかで無理やりでもフィルターをはめて、理屈的咀嚼を促すのです。それで少しでも不幸な時間を減らすという効果があるのです。

★気になりつつ、その害についても眉をしかめがちな占いや血液型判断。考察してみたことがあります。

【朝メール】20080627より__

===ほぼ毎朝エッセー===

□□占いの効用

今朝は占いの功罪について考えてみます。

朝のテレビや携帯に配信されるメールニュースには、必ず、占いの項目があったりします。例えば今日の自分のものを見てみます。iチャンネルから引用します。おっ、今日はしし座は全体運が1位です。『発想力活かし行動を!目的にチャンスも』と書いてあります。むむ、気になります。詳細を見てみます。

・恋愛運:3点『意気投合できそう、スタートや変化の暗示』
・仕事運:5点『情報収集が大切なとき、大人の態度キープで◎』
・健康運:5点『体を動かして運気UP、激しい運動は控えて』
・金運:  5点『贈り物すると金運UP、お金は丁寧に扱って』

どうやら5段階評価で恋愛運以外は満点のようです。聞いて悪い気持ちはしません。いや、それどころか、「何かいいことがあるのかな」と、その日が楽しみにすらなってしまいます。

方や、一番悪い12位は、かに座だそうです。

・全体運:2点『優柔不断は禁物。気合を入れて努力を』
・恋愛運:2点『理想を追い求めないで、プラトニックな恋に縁』
・仕事運:2点『同僚と信頼関係を築いて、決められた期日を守って』
・健康運:2点『体調管理に気をつけて、フルーツを摂取して』
・金運:  2点『捕らぬ狸の皮算用で…調子に乗ると大散財!』

これを朝読んだら、「ちょっと注意しようかな」という気持ちになりますよね。

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昔、大学浪人をしていたころ、マンションの上の階に住んでいた知り合いのおばさんが占いに凝っていました。生年月日を聞かれ答えると「土星人」だのなんだのと言われて、その後は何かいいことがあれば、それはこういう理由だ、何か悪いことがあれば、それはああいう理由だ、と、ことあるごとに占いで解釈をつけてくれていました。その人曰く、「これは中国4000年の膨大な統計に基づくことなので正しいのです。」と。

あるいは起業をする前に、この手のことが大好きな当初の起業パートナーが連れてきた『ゼロ学占い』のおばさん。これもまた生年月日を伝えると、なんだか丸い図を見ながら「社長は再来年絶好調なので上場するならそのときにしなさい」とか、「あなたは今年までで旬を過ぎていて今後悪くなります」とか、「苦労する組み合わせですね」とか、まあ、もっともらしく説明してくれます。人間には12を基調としたサイクルがあり、そのサイクルに従った運気があって、それが12日毎、12月毎、12年毎に意味をもってやってくるのだとか。

ちなみに今日の自分の『ゼロ学占い』結果をみてみると、10点満点で3点だとか。やはりどう理屈をつけても科学的とはいえません。そして怖いのが、ちょっと心が弱ったときに、「あ、だからか!」と、その占いの言葉によりどころを求めてしまう自分を見つけたときです。

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では、占いに対する坂本的解釈を。

1日は24時間、あるいは1140分、あるいは86400秒と毎瞬間が沢山ある、その集積です。さらに1ヶ月、1年、これらは膨大な瞬間が集合したものです。

心の中はその瞬間毎に発生することがらを、そのたびに、体の中に発生する快楽物質と毒素とで、感じる気持ちよさと悪さを通じて、favorable※ なのか unfavorable なのかの感想を述べます。それを感情といいます。理屈抜きでの好き嫌いの世界です。そしてその感情について、誰もが何らかの理屈をつけたくなります。「これは意味のあることなんだ」とか「仕方がないのだからすぐに忘れるようにしよう」とかです。

そのときに占いみたいなもので、一日の始めに覚悟しておいた言葉のフレーズが助けになったりするわけです。favorableなことを見れば、その解釈に『意気投合できそう、スタートや変化の暗示』とはめてみたり、unfavorableなことを感じれば『優柔不断は禁物。気合を入れて努力を』となるわけです。

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毎瞬間の集合は、いいニュースと悪いニュース、あるいはfavorableとunfavorableなことの集合体です。その瞬間瞬間にある解釈を加えることで、漠然とした悩みに抱えるのではなくて、理屈をつけてやり過ごすことができる。そんなことを促すことが占いの効果だといえます。

つまり、どの占いの解釈を以ってでも、毎日発生する多大な瞬間と付き合わせれば、必ず該当することに巡り合うわけなのです。そして、怖いのはそれを「当たった」と信じてしまうようになり、次には占いに書いてあることを先に事実として誤解してしまう心理になることです。

これは血液型をもってしてその人をわかったようになる、したり顔をする人の考え方ととても類似しています。人の性格にはさまざまな側面があり、それらが万華鏡のように瞬間瞬間に顔を出してきます。血液型というフィルターを好んで用いる人は、そのフィルターにあう現象をみつくけると、「ほら、B型はね」と、フィルターにかけてデータ集積することになります。

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人の性格を4種類に分けたり、12の星座に分けたりして、それですべてが成り立っているなんて考えるのも乱暴すぎますよね。それでも、これだけ普及している。そこには理由があるはずです。それなので、次のように解釈するといいのだと思います。

占いは自分に対する、あるいは人に対する、時系列の中での好不調を肯定し、それを「悩んでも仕方がない」と納得させるためのものなのだと。感情に巻き込まれて悩んで止まってしまうことが人生の最大の不幸です。だから、無理やりでもフィルターをはめて、理屈的咀嚼を促すというものです。それで少しでも不幸な時間を減らすという効果があるのです。

そうやってみれば、12位のかに座についてでもずいぶんんと能動的に書いてあるではないですか。『優柔不断は禁物。気合を入れて努力を』と。1位のしし座の『発想力活かし行動を!目的にチャンスも』よりもいいアドバイスかも知れません。

ん、ところで、「目的にチャンスも」ってどういう意味??
どうも気になるなぁ。。。

※favorable: 都合のいい、好意的
my favorate food: 大好物
to favor: 選り好みする、好む

★占いを聞かされてしまうと、そこに出来上がるフィルターで解釈を惑わされてしまう自分が怖いですね。どうも自分は色々と信じ込みやすいので (笑)。

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