オルタナティブ・ブログ > 生保のトリセツ >

「生保」というと最近は「生活保護」の略称だったりしますが、こちらは「生命保険」です。保険会社(メーカー)、代理店(販社)だと言いづらいこと、言えないことを、分かりやすく書いていきたいと思います。新規加入や見直しの際にご参考にして頂ければ幸いです。また、取り上げて欲しいテーマがあればリクエストしてみて下さい。可能な限りお答えしていきます。

生命保険の診査基準なんてどこも一緒じゃないの!?①

»

このブログ以外にも書籍はもとより、ネットも含めて数多の生命保険情報が溢れています。
「女性の保険料はオリックス生命が全体的に割安」「ライフネット生命は若い世代では割安であるが、中年以降は割高」など、おおまかな保障内容と保険料をまとめて題材にしていることが多いです。

中には、ある保険商品を一品ポーンと紹介して「この保険はこんな人にお勧めです」と、何の比較もなく<生命保険会社の広報部>よろしく記事にしている<自称・独立系FP(ファイナンシャル・プランナー)>も存在します。

比較対象がなく、生命保険商品単独でプレゼンするのは古典的国内生保の販売方法であり、<自称>であっても曲がりなりにもFPを名乗っている方が<生命保険商品一品プレゼン>を行うのは噴飯ものです。

なぜこんな話しを持ち出したかというと、多少の持病があっても加入できる「引受緩和型医療保険」におけるあるFPの紹介記事を読んで、憤りを感じてしまったからです。

ある保険会社から「引受緩和型医療保険」の新商品が出て、それを<一品プレゼン>で紹介して一応メリットとデメリットを一般論として書いています。

しかし肝心なことが抜け落ちています。
はじめから話しにならない<一品プレゼン>なので詮無いのですが、一番肝心な「告知項目」について全く触れていません。

もちろん保険料の多寡や保障内容は重要ですが(それさえ比較できない)、同等かそれ以上に「引受緩和型」は告知項目が肝になります。

告知書には通常であれば一般的なフォーマットがあり、各社共通する点が多いのですが、「引受緩和型」については各社の違いは大きく、加入できるか否かの指標となります。

つまり、AさんはX社に加入できるがY社には加入できない、Bさんはその逆であるケースが多々ありえるのです。
同じ持病でも発症または完治したタイミングであったり、病気の種類の違いであったりで加入できるか否か各社の違いが通常の医療保険より大きくなります。

興味がある方は覗いてみて下さい。
http://www.hoken-erabi.net/seihoshohin/goods/7568.htm(緩和型医療保険の告知項目比較)

その指標となる肝を書かずして、既存商品との比較もなく(過去に書いた既存商品の<一品プレゼン>へのリンクがありましたが、わざわざウインドウをふたつ開いて見るかプリントアウトせぇちゅうことですかね)、一端の生命保険のというには、あまりにお粗末です。

そこで思ったことがあります。
<告知書>やその裏にある<診査基準>をきちんと記述している記事は少ないなぁ・・・と。

件の<一品プレゼン>FPさんは面倒くさくてやらないのか、不要と思って書かないのか分かりませんが、不要ということはありません。(面倒くさいのでしょうかね)

手前味噌になると思いますが、保険ショップ勤務のころはバックヤードに主要保険商品の書類がほぼ揃っていたので(結構在庫管理は大変でしたが)、多少健康状態に問題がある方に対して告知書や審査基準のマニュアルなど読みこなして、なるべくいい条件で生命保険に加入できるようにしておりました。

先ほど「告知書には通常であれば一般的なフォーマットがあり、各社共通する点が多い」と書きましたが、細かいところの違いはありますので、その部分をお客様の状況とアジャストさせるのです。

また診査基準については結構バラバラで、変な話しですが保険会社によって「得意不得意」があったりします。

というか、許容範囲が広い狭いがまずあり、表向きは同じように感じても保険会社によってハードルの高さが違ったりといろいろです。

許容範囲が広いから保険料が高いとか、狭いから安いとかその辺は全く関係ありません。
むしろ逆の傾向が多少あるかもしれません。

保険料が高い大手国内生保の雄である第一生命においては「うちは業界でも一番診査が厳しい」と無意味に威張っていました。

ただ他社に比べてリスクを取ることができないヘタレです、と喧伝しているだけなのですが。

というわけで、<各生命保険会社の診査基準の違い~傾向と対策>というテーマで次回掘り下げてみます。

Comment(0)