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「生保」というと最近は「生活保護」の略称だったりしますが、こちらは「生命保険」です。保険会社(メーカー)、代理店(販社)だと言いづらいこと、言えないことを、分かりやすく書いていきたいと思います。新規加入や見直しの際にご参考にして頂ければ幸いです。また、取り上げて欲しいテーマがあればリクエストしてみて下さい。可能な限りお答えしていきます。

生命保険の手数料は公開すべきか?①

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一部保険評論家やエコノミスト、ヤフー知恵袋の論客などがムキになって「生命保険の手数料は開示すべき」と訴えていることはご存知でしょうか。

投資信託などの金融商品の販売手数料は初めから提示されて、運用される元金は支払った金額から手数料を差し引いた金額であると明確であるのに、生命保険については手数料が明確でなく、不当に高い手数料を上乗せしているのに違いない、と少々感情的になっています。

「生命保険の手数料は開示すべき」と仰る方々は、単純に代理店や営業職員の取り分の手数料を指して言っているのか、生命保険会社の「儲け」を指しているのか・・・判然としません。

当然、保険会社の儲けが大きければ、代理店や営業職員の手数料が多くなりますが、必ずしも正比例するわけではありません。

以前にも触れていますが、代理店や営業職員には実績によってランクがあり、同じ商品を同じ条件で販売しても手数料に最大2倍近くの差がでることがあります。
また、二次手数料というものが存在し、ランクや年間の販売実績に対して数百万円の上乗せがあり得ます。

同じお客様が同じ生命保険に加入する場合、A代理店では手数料が15%であるが、B代理店だと25%となるのはいいとしても、二次手数料まで明確に提示することは不可能だと思います。

保険会社の「儲け」を開示することだと解釈する場合で考えてみます。

まず貯蓄型である終身保険や養老保険について、解約した際の返戻金は明記されています。
概ね初期の解約は元本割れしますが、そのマイナス部分が目に見える経費です。
それでも当初から死亡保障は「保証」されているわけですので、掛け捨ての部分が生じるのは当然ですよね。

投資信託などの純粋な金融商品であれば、運用に使う原資は明確である必要がありますので、はじめから手数料を差し引いて裸の金額を設定するわけです。

死亡保障もなにもないので当たり前の話しで、運用がプラスならその分プラスで、マイナスならその分マイナスになるのが基本的な構造で「保証」するものは何もないわけです。

「生命保険の手数料は開示すべき」の輩が特に目の敵にるすのは変額保険なのですが、これとて死亡保障の「最低保証」はあります。

その分のコストはかかっていますので、保険料のすべてが投資に回るわけではないですが、他の金融商品と比べて税制上のメリットがあり、更に通常の生命保険より保険料が割安です。

特に変額終身保険については、どんな人にもメリットがあるわけではないですが、少なからずあるメリットを「手数料が開示されていないからNG」「どれだけ投資に回るか不明なのでNG」と蹴散らしてしまいます。

確かに変額保険は「生命保険の衣を被った投資信託」と言えなくもないですが、カテゴリとしては生命保険ですので死亡保障があります。

つまり、純粋な金融商品であれば原資を確定させるためにも手数料を明確にする必要がありますが、明確な「死亡保障」や「入院保障」という付加価値がある商品なので、必ずしも利益、逆に言えば「原価」を明示しなくてもいいのではないか、と考えます。

例えば明確な「五目焼きそば」とい商品が750円だとします。
麺やら白菜やらうずらの卵やら木耳やら・・・全部足して94円で油やらお酒やら塩やらオイスターソースやら調味料が6円で、併せて100円の材料費がかかっています。
それを750円だなんて、ぼったくりだって?
いやいや、これを作っているチーフや皿洗いの学生さんや運んでくれるお姉さまのギャラと、この店の家賃やらガス代、電気代なんかも入れると200円も残らない。
おっと、半ライスのサービスなんかしたら多分160円ぐらいの儲けかな。

なんて誰も言わないし、聞きません。
もともと、明確な商品であれば原価を明示する義務はないのです。
というより、一品一品で明確な原価を出すのは簡単ではありません。

五目焼きそばでも白菜の値段は日々変わりますし、調味料の分量においては特に中華料はアバウトだと言われていますので正確には出せません。

しかし、一定期間で決算なり棚卸をすることで原価率は出せて利益を確定できます。

生命保険も同じようなもので(もっと複雑ですが)、一件一件の原価率を出すことは不可能に近く、販売手数料を明示しても正確さに欠けるものとなりあまり意味がありません。
(二次手数料はその場で確定しません)

次回に続きます。

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