オルタナティブ・ブログ > 生保のトリセツ >

「生保」というと最近は「生活保護」の略称だったりしますが、こちらは「生命保険」です。保険会社(メーカー)、代理店(販社)だと言いづらいこと、言えないことを、分かりやすく書いていきたいと思います。新規加入や見直しの際にご参考にして頂ければ幸いです。また、取り上げて欲しいテーマがあればリクエストしてみて下さい。可能な限りお答えしていきます。

80歳の生命保険1【万が9999に備えているのか?】

»
7月28日に厚生労働省から我国の平均寿命が発表されました。
男性が79.64歳、女性が86.39歳とのこと。
男性においてもほぼ80歳となり、日本人において80歳クリアが平均値となりました。

さて、生命保険において「必要保障額」の算出が大事だと言われています。
主に小さいなお子様など扶養家族がいる親御さんに対して、「万一のことがあった場合」の必要額を生命保険でカバーしようということですね。

この「必要保障額」については、保険会社や代理店、FP(ファナンシャル・プランナー)のサイトやパンフレットなど語られており、私も以前にこのブログで触れております。

これはこれで重要で、小さなお子様がいる親御さんについてはなくてはならないもので、各保険会社や代理店などは、いかにこの「ニーズ」を引っ張り出して保険販売につなげるかを競っています。

現役時代の必要保障額はきっちり算出して、それにアジャストした保障を提案・販売するのは極めて大切ですが、それと同等、場合によってはそれ以上に大事なことが結構ないがしろになっていることにお気づきでしょうか?

「万が一」以外の「万が9999」つまり平均値に近いほとんどの方の備えについて、真剣に考えている人が少ないのではないか、と思うのです。
平均寿命が80歳を越えようという状況ですので、幸い「万一」に該当しないほとんどの方については"OVER 80"は想定すべきだと思うのですが・・・。

顕著なのは大手国内生保と共済です。

大手国内生保の主力商品の医療保険の特約は80歳で終わってしますのがほとんどで、単品の終身型の医療保険はありますが死亡保障がもれなく付いてきてかなり保険料が割高です。

共済については、一部終身型の医療保険がありますが限定的で、ほとんどが65歳までの保障はまずまずでもそれ以降はどんどん保障内容が先細っていきます。(最近多少改善されたようですが)

「80歳の生命保険」として使えるものはたくさん出ていますが、それを知らずに使えないものに加入している方が多いのが現実です。

80歳以降を担保できない商品が主力の大手国内生保の営業マンは、不利な事実を隠蔽して保険販売をするのが常道ですし、共済は消費者からの自発的な申込によるものがほとんどなので、先々の細かいことなどノーチェックであることがほとんどです。

あなたの生命保険は80歳を過ぎた時にどうなっていますか?
真剣にチェックして下さい。
よく分からなければ、担当者や代理店、保険会社に聞いてみて下さい。

ポイントとしては、疾病やケガ、できれば介護、そして死亡に備えられているかです。
死亡保障は現役時代のように数千万円など高額な保障は不要ですが、葬儀などの費用を賄えるのか、入院や介護についてはそのまま保障の対象となる保険に加入しているのか、貸付や取り崩しにより現金をある程度用意できるのか、などです。

預貯金がたっぷりある方は心配ないですが、長生きした場合単純に生活費用が生きた年数分かかるわけですので、なるべく蓄えは減らしたくないと思います。

できれば今までかけて来た生命保険を最大限活用して、老後資金の預貯金には手をつけないのが理想だと思います。

次回もう少し掘り下げます。
Comment(0)