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シャープやパナソニックやソニーの凋落の原因はマーケティング志向不足

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広告代理店は、広告だけをやっているわけじゃなくて、コーポレートアイデンティティとか販促戦略とかいろいろ提案して実行する企業だとは思います。でも。

広告は、シャープやパナソニックやソニーをはじめとするクライアントの「本当のファン」を作れてこなかった。

という悔恨は、日本における広告偏重、マーケティング不足、という病理を端的に表していると感じました。

広告でブランディングはできないのだから広告代理店が悔いるなんていうこと自体が日本の後進性の表れであり、その間違いに日本人がいかに早く気づくかが重要です。

言い換えると、代理店任せで企業の経営の内部でマーケティングやブランディングをどうするか突き詰めて考え、主導して実行してこなかった。あるパラダイムが永続的なものと誤解して、販促のプロたる代理店に丸投げが続いたのが凋落のポイントだと思います。

http://www.satonao.com/archives/2013/03/post_3511.html

www.さとなお.com(さなメモ): シャープやパナソニックやソニーの凋落を、広告人や広告会社はもっと恥じるべきじゃないかな via kwout

広告は広告で重要だと思いますし、消費者や企業間の結びつきを強めるのにも大事です。

しかし、そもそも、その企業自身が何を目指し、どう訴えるのかは企業自身が考え、決めていかねばならないことです。成功している企業と比べて、失敗した日本の家電メーカーはブランドを育て発展させること、社会に革新と変化をもたらし、競争のルールを変えていくこととかに無関心すぎたのではないかと思います。

著書「マーケティング22の法則」で有名な、 アル・ライズ、 ジャック・ トラウトは日本向けの再販の寄せ書きで、韓国や中国からはコンサルティングを頼まれるのに、日本からはなぜ依頼が来ないのだと嘆いています。ポジショニングやブランディングをよく理解し、エッジが効いた戦略を打ち出す、韓国や中国企業に日本のメーカーが負けるのは必然だとでも言わんばかりです。

先日のeneloopブランドをないがしろにしたパッケージデザイン変更もそうです。広告重視の経営を捨て、マーケティングやブランディングの基本に戻ることこそが苦戦する日本企業に求められています。日本再生のためには、「戦後の日本的経営」の敗北を認め、懺悔し、生まれ変わることが必要です。マーケティング志向、ブランディング戦略などで負けたと正しく理解すれば、立ち直る日も遠からず来る、そう、そう確信しています。

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