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皇紀を採用した安田生命保険の先見の明

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実は私、安田生命保険相互会社(今の明治生命保険)に勤めていたことがあります。枝野官房長官が皇紀何年かご存じなかったというニュースがあって思い出して検索していたら、懐かしいことがWikipediaに書かれていました。

皇紀と安田生命保険

安田生命保険(今の明治安田生命保険)は、1970年代個人情報管理のシステムを構築することになった。その際システムの担当者は、20数年後に生じるであろう2000年問題をすでに予測していたのか、あるいはシステム上で都合がいいからなのか、「年」の処理に西暦や元号ではなく皇紀を使用した[6]。そのことにより、安田生命保険は2000年問題を(皇紀の下2桁が00になるのは2040年なので)40年先送りしたとされる。

これだけでは分かりませんね。1940年をゼロとする皇紀を採用してどうして2000年問題を40年先送りできるのか?生保の扱う生まれ年なんて1940年(昭和15年)以前の人も多数いらっしゃるわけで、それだけでは足りません。そして、1900年を起点にするだけでは、生保の必要とする生まれ年で1800年代生まれの生年月日を上手く扱えません。システム構築した1970年代において80代や90代という「現役」のお客様の情報ですから。

実は安田生命は1940年を起点にプラスとマイナス99年を保持していたのです。メインフレームでいうところのパック10進数だと、1バイトで正負2桁の数字を保持できる方式で1841年から2039年まで、199年間の年の情報を持てます。1841年は伊藤博文が生まれた年で、1970年代というシステム化した年からすると十分古い年から、70年近く先まで持つ2039年まで1バイトで扱えるわけです。

膨大なデータを扱える今と違い、メインフレームの希少なDASD(ディスク)やテープのデータを小さくするのにこの年の持ち方は大いに役立ったことでしょう。計算も速くなりますし。

2000年問題が話題になった時に、安田生命の設計の巧妙さと、後にシステムに携わったクレジットカードの西暦下二桁しか券面に印字しない方式の不都合さを感じたものでした。

そして、単に2000年問題を先送りするだけでなく、100歳以上とかの人の寿命に関わるデータを上手く扱い、40年先送り以上に巧妙な設計に感心しています。

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