携帯電話は、IPアドレスでなく、携帯電話・個体識別情報(uid)で識別可能という新常識
ここしばらく、一般新聞の一面を飾るまでになっていた、大学入試でのネット投稿カンニング事件。「可能なことは起こる」という原則からすると驚くことではありません。1972年ごろ発刊の本「へんな学校」間羊太郎著で、カンニング学教室という章があって、無線機でカンニングをした生徒の話を読んで感心した記憶があります。40年前でもやればできた話です。
さて、今回の報道、新聞・マスコミレベルでの報道でIPアドレスで携帯電話を特定とかいう書き方をしているのが気になりました。辛うじて何とかセーフと思ったのがこのITmediaにフィードされた産経新聞の記事です。IPアドレスなど という書き起こしの後に「識別番号」という記載があります。
京大入試問題ネット流出、携帯契約者の住所は東北地方 - ITmedia News via kwout
スマートフォンでない携帯電話のほとんどの機種は、Webブラウザのcookieという一時的な識別のためのファイルを使ったしくみに対応していなかったため(*)、その代わりに携帯電話・個体識別情報を持っていてそれを端末の識別に使っています。Webアクセス解析とかでモバイル対応というとこのIDをうまく扱えることが重要です。
携帯電話から繋がるためのIPアドレスは接続のたびに原則変わるものでそれで個人を識別できるとか書くのは不正確です。もろもろを単純に書きたいからというのは分かりますが、違う仕組みでユーザーが特定されるということは正しく報道されるべきだと思います。
* NTTドコモの携帯電話が2009年夏モデル以降でCookieに対応 したそうです。
参考記事:
間違いだらけの「かんたんログイン」実装法(1/3) - @IT http://www.atmarkit.co.jp/fsecurity/rensai/keitaiweb02/keitaiweb01.html