血液型の世界分布と日本固有の血液型性格診断への憂慮
史郎さんとは同じ坂本なオルタナブロガー仲間なんですけど、血液型の話題は捨て置けない性分なので、ぶしつけに突っ込みます。ニセ科学についてのすばらしいレジュメと「血液型性格診断」の害 でビジネスメディア誠に突っ込み、 AB型は免疫力が低い1000年前登場の新人類!?日本テレビ深イイ話であまりにニセ科学な話 と2回書いてまだ書き足りないかとあきれられそうですが、無粋で飲み会でもピシッと血液型を聞かれてもノーコメントを通す私であり、おそらく翌朝には史郎さんの謎解き編が公開されているのかもと思いつつ、書きます。
さて、その史郎さんのエントリー
AB型は人類の進化形?:血液型の世界分布:坂本史郎の【朝メール】より:ITmedia オルタナティブ・ブログ via kwout
O型が極点に多い民族がある理由:
問題に感じるところはまず、論旨の出発点です。
次に、O型の多い順にソートしてみます。その1位から20位を表にしてみました。比較的交配の進んでいない人種であろうことから、どうやらO型が人類の出発点であることは間違いありません。
ペルーのインディオとかでO型100%とか、マヤ98%とかいうことから、「O型が人類の出発点」と語られています。しかし、これは、今の定説においては「ボトルネック効果」や「創始者効果」という現象で説明されています。ベーリング海峡を渡ってアメリカ大陸に渡った集団が少数で、遺伝子の多様性がごく限られた結果、遺伝的に似た人が集まったゆえという説明ができるのです。
余談ですが、あるインディアン部族に薄毛が少ないということを理由に特別なシャンプーが売られていたりしますが、遺伝的に薄毛の人がほとんどいない部族だからという説明のほうが合理的なように思います。
日本ならではの血液型性格診断による不合理な刷り込みの再生産を止めよう:
さて、なぜこれだけ血液型の話に私がかみつくのか?
それは、血液型性格診断という日本とその周辺地域だけで盛んなこの習慣が、生まれながら特性が決まっているという運命論的志向を助長させ、人間の可能性を狭める悪習だと思うからです。
もちろん、人間素質や特性は人それぞれですが、実はそれは思い込みで、運動が苦手、物覚えが悪い、集中力が無い などというネガティブなことも努力で解決できる可能性があると思います。そういう壁を打ち破ろうという努力を妨げる要因の一つが、血液型性格診断によるする刷り込みだと思います。少し近いものとしては、性差別もあるでしょう。
男だから、女だから、そんな刷り込みと教育の分化で、日本人は可能性を無駄にしていると思います。女性の社会進出は、昔よりは進んでいるとは言え、まだまだ日本は遅れをとっています。確かに性による体や志向の違いは統計的にもいろいろ現れていますが、必要以上に区別しすぎているのではと思うわけです。
たわいもない、ジョークであっても血液型性格診断は与えられた型に人をはめこむ思考様式を助長していると考えます。私はそれをなるべく早く無くしたい、そう願っています。
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