アプリが早くも2万本を超えたAndroid。iPhoneとの多面的な比較分析
昨日,Androidアプリが早くも2万本を超えたと米国の複数のブログメディアで報じられた。
今日の記事では,その元データとなっているAndrolib.comより図を引用して,Androidアプリ急成長の様子を見てみたい。
月次アプリ数で見ると次のようになる。
Android2.0を搭載したDroidが出荷されたのが11月6日,そのあたりからiPhoneキラーとして存在感を大きく増したため,アプリ数も急増しはじめたようだ。ちなみに Droidの出荷台数やiPhoneの比較については下記記事にて速報しているので興味のある方はご参照を。
・ 最強のiPhoneキラー"Droid"。初週は絶好調で推定販売台数25万台か。iPhoneと比較すると? (2009/11/15)
なお,同時にダウンロード数によるアプリ比率や有料/無料の割合も公開された。開発者にとって貴重なデータなのであわせて掲載したい。
さて,問題はこの出荷ペースは10万本を超えたiPhoneアプリと比較してどうかという点だ。
では,最新のiPhoneアプリ数およびダウンロード数をMorgan Stanleyの最新資料で見てみよう。
ここ半年ほど,iPhoneは月間純増8000アプリを超えるペースで伸びている。対してAndroidは11月に月間純増3500アプリを超え,12月は4000アプリに届こうとしているのがわかる。アプリ数でいくとまだiPhoneペースに劣るが伸び率でいくと遥かに上回っており,この状況を見る限り,アプリ数でのiPhone絶対優位という構造は2010年には崩れる可能性が高いのではないだろうか。
では,少し別の角度からも iPhone vs Android を見てみよう。
まず販売台数の比較から。基礎データはガートナー調査だ。
これはスマートフォン出荷台数におけるOS比率 - iPhone(赤),Android(紫) - をあわらしたもの。まだまだ Nokia Symbianの比率は高く,特にAndroidは現時点での比率はかなり少ない。また下の図はエリア別比率をあらわしたものだが,欧州/アジアのNokia Symbian,米国のRIM BlackBerry,日本のLinuxなど,各地域で大きくそのシェアが異なることが一目でわかる。
この状況でAndroidが2012年には累積台数でiPhoneを抜くと予想されている(ガートナー調査)のは,Android機を開発する意向を表明しているメーカーが極めて強力だからだ。それをあらわしたのは数で,このうち緑になっている携帯メーカーがそれにあたるが,ワールドワイドですでに過半をしめていることが見て取れる。これがAndroid最大の強みと言えよう。
出荷台数ではSymbianに先行を許しているiPhone/Androidだが,インターネット利用状況で見ると状況は一変する。すでにiPhoneが全体の50%を占め,Androidも11%に急成長している。一方出荷台数で圧倒的だったNokia Symbianは大きくシェアを落とし続け,2009年10月には25%に留まっているのがわかる。これはアプリにおいてiPhone/Androidが圧倒しはじめているからで,スマートフォンにおける二強がこの二社になることを示唆しているデータといえよう。
さて,最後にもう一つ興味深いデータを。
これは各モバイルOSごとの開発者の求人状況の推移だ。データ元はSimply Hired。
この1年半の間に,iPhoneの開発者求人は10倍近くになり,BlackberryやWindowsMobileを求人数で逆転した。さらに恐ろしいのはAndroid。なんと70倍もの伸びをしめてしているとのこと。モバイル開発業界におけるマインドシェアをあらわしたものだが,これもこれからのモバイル市場を示唆したデータとして注目したい。
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・ iPhone vs Android vs SymbianOS。モバイル三国志の現状と未来予測 (2009/10/22)
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