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いまどきのシステム開発に主観的視点でメスを ~メスの入れ間違い御免~

日本人向けセッション

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日本に帰ってきました。
長いようで、早かったような1週間。
実に内容の濃い1週間でした。

さて、「PDC last day」のブログにも書きましたとおり、今日はPDC最終日に行われた日本人向けのセッションについてお話します。
このセッションでは、PCDで話されたトピックについて、概要をおさらいするというものでした(本当はこういうのが最初にあると良いのですが、そうは行かないのですね。。。)。PCDは非常に多くのセッションが開催されます。さまざまなテーマについてのセッションがあるのですが、たとえば、COM(Communicationトラック)、DAT(Dataトラック)、FUN(Fundamentalトラック)、OFF(OFFICEトラック)、PRS(Presentationトラック)といった感じです。それぞれに対して非常に多いセッションがあり、どう考えても全て聞く事は無理なんです。ですから、何かテーマを決めてセッションを見る事になります。と、いうことは、全く聞かないテーマもあるわけですね。ですから、このような全てのテーマについて概要をおさらいするセッションは、非常にありがたいわけです。後日送られてくるカンファレンスDVDを見るにあたっても、予備知識があると理解度が早いわけですから非常によい企画と思います。
というわけで、そのセッションを見たわけですが、ここでは今回ブログで触れた内容(COMトラック)以外について「これはいいな!」と思ったトピックについて触れてみたいと思います。

まずはじめに、今回のPDCで結構話題になっていた「LINQ」ですね。今までデータベースにアクセスする場合はADO.NETを使用し、最終的にコードのどこかでSQLを直に書き込んで実行せざるを得なかったわけです。ところがLINQを使用するとそうじゃなくなります。LINQはデータへのアクセスのためのSQLをプログラミング言語(C#など)に統合したものです。こうする事でコンパイル時にフィールドの型チェック等ができ、媒体の違いもライブラリで吸収して透過的アクセスが可能になるというメリットがあるんですね。私はもちろんこのセッションは見れなかったわけですが、非常にいい機能だとおもいました。コンパイル時にデータとの整合性がチェックできるのは大きいメリットと言えます。また、通常データへの透過的アクセスを実現するためにラッパーなどを導入したりしますが、それが言語ライブラリに吸収されていると、真の意味でプログラマにとって透過的アクセスになります。これにより変更しやすい設計を実現しやすくなりますね。是非、使って行きたい機能です。

次に、プレゼンテーション画面に関する話題です。画面のレイアウト、スタイルと表示データを切り離した構造にしたところがグッっときました。画面に表示するデータとその表示方法(見せ方)やレイアウトを別のXAMLファイル(XMLファイル)に定義する構造にしたわけです。どういうことかと言うと、同じデータから作られる画面だとしても、あるときは画像ファイルのパスをリスト表示する画面かもしれませんし、あるときは画像のサムネイルを美しくレイアウトした画面かもしれません。それらをコードを変更する事なく、XAMLファイルの設定で切り替えられるというものです。もちろん、画面のある一部だけを表示したく無くなったときもXAMLファイルのその部分の設定を変えるだけです。従来ならばコード変更しなければならなかったところがそうでなくなったわけです。これにより、画面に表示するデータが決まれば実装と画面デザインを切り離して実装できるわけです。開発チームの切り離しや、画面レイアウトの変更などが容易にできるわけですね。生産性向上のために非常に有効な技術です。この画面レイアウトですが、Microsoft Expressionという画面デザインからXAMLファイルを生成する製品が発表されました。

最後にOFFICE製品についてちょっと。今回OFFICE製品はXML対応になりました。これにより、OFFICE画面がXMLファイルにてカスタマイズできるようになったわけです。また、画面にボタンを配置し、そこからマネージドコードを呼び出せるようになりました。ということはOFFICE製品をクライアント画面にしてマネージドのアプリケーションが作成できるということですね。よりリッチなクライアント画面を作成できたりするわけです。

もちろん、他にもトピックがありましたが、今回は3つ取り上げてみました。
これらの技術は生産性を向上させるために非常に有効なものです。生産性の向上はシステム開発にとって非常に意味のある活動です。システムが複雑化してきている開発現場にとって、これなしではシステム開発はありえないと言ってよいでしょう。そういう意味でマイクロソフトは生産性を向上させる技術がたくさんあり、非常に先進的な考え方を持っています。毛嫌いする人もいますが、そろそろそれがナンセンスであることを気づく必要があると思います。私は、今回PDCに参加して、今後は常にマイクロソフトの技術をウォッチして、使えるものはどんどん使っていきたいと思うようになりました。

これからのマイクロソフト、注目です!

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