ラスト・ワンインチ(one inch)の戦い?
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かつてブロードバンド化隆盛の時代に「ラスト・ワンマイル」という言葉がありました。契約者宅への最後の「1マイル」の回線部分の主導権争いのことで、電話回線、ケーブルTV、無線などがしのぎを削ったのでした。
そういう時代もあっという間に過ぎ去り、現在はすでに1人1人がスマホを持つ時代に移行しつつあります。回線の末端は居宅から人へと変わってしまいました。
家庭に1台のパソコンの時代は家族がテレビを共有する時代に似て、各人の1日の自由時間に占めるパソコンの使用時間は少なかったでしょう。今や個々が1台のスマホを持つ時代になり、SNSなどのコンテンツが充実するにつれて、各人がスマホに触れる時間は圧倒的に増えてきています。
そうなると、これからは、ネットの末端はよりユーザに近づこうとし、「ラスト・ワンインチ」の戦いが繰り広げられるのではないかと思います。1日24時間のうち、どのコンテンツを何分間ユーザに見せる(使わせる)ことができるか、どのメディアの広告を何回見せることができるか、ユーザの情報をどの端末が取得することが出来るか、そのような接近戦が繰り広げられそうです。
腕時計、メガネ、ジーンズや帽子などの衣服、車のフロントガラスなど、末端端末はあらゆる機会を狙ってユーザに近づき、ユーザの24時間の取り合いになるでしょう。
この戦いの終末はSF的になり、頭脳への組み込み、聴覚・視覚器官への組み込みなどが予想されますが、「そこまでしてIoTの一部になりたいか?」と抵抗したい思いもあります。
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