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国民よ、何を裁く? - 笹井氏死去に思う

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理化学研究所の笹井芳樹副センター長が自らの命を絶った。

STAP細胞研究で不正があったことが発端だが、なにが彼を自殺に追い込んでしまったのだろうか。いや、なぜ日本国民は彼を追い込んでしまったのだろう?

一般的には国家予算を用いた研究で不正があったのだから、その責任問題を糾弾されてもおかしくない。多くのメディアや関係者はその処分が曖昧なままであったのが原因だと説くが、私は敢えて異なるコメントをしたい。

科学は科学者だけの学問に終わるのではなく、特に国家予算を付けるのであれば、国家の競争力を高めるものでなければならない。STAP細胞研究は、再生科学における世界オールスター級の人材が世界最先端さらには宇宙最先端の現象に挑む超チャレンジャー的な研究と聞く。その成否は人類の未来も変えるが、国家の未来も変える。彼らは国家のために研究を請け負っている人たちともいえる。

そのような国の期待を背負って超ハイリスクな研究を行っている人たちに対し、われわれ国民はなぜ「もう一回やってみろ」と言えなかったのだろうか。競争相手国が彼らを叩くのであれば理解できるが、なぜ自国民が自国のチャレンジャーを追いつめてしまったのか。

われわれのパワーはチャレンジャーを潰す方向に使ってはならない。もちろん、再チャレンジのためにはチーム構成やプロセスは変える必要はあるが、もう一度やってみなはれ、という方向に情熱を捧げるべきである。

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