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マウントゴックス社の破たんに思うITの責任

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ビットコインの世界最大級の取引所であるマウントゴックス社が破たんしました。報道によれば、システムの不具合により、ビットコインと預り金を大量に損失し債務超過になったとか。

今回はビットコインが破たんしたという事ではなく、取引所のITの仕組みがあまりに脆弱で、「カネの消失」というあり得ない事態を招いてしまったことが問題であるため、おそらく、ビットコイン自体は再度安定に向かうかもしれません。

さて、私はビットコインのコンセプトが分かりにくかったため、以前、自ら専用ソフトウェアを使っていろいろ調べてみたことがあります。マイニングの原理は未だにさっぱり分かりませんが、非常に荒削りながらも、そのコンセプトは時代のニーズにマッチしたものだなと感じていました。

貨幣が生まれて数千年。その普及や安定性は抜群になりましたが、それが現代の「60億人総ネット時代」に相応しいかというと、そうではないと思います。一攫千金や資金浄化という独善的な意図を除き、ビットコインという私的な貨幣が生まれた背景には、実物の貨幣がネットの利便性やスピードに追従しておらず、送金、両替、交換などの取引を面倒にしているからに違いありません。

ビットコインはおそらく時代の要請なのでしょう。次世代の貨幣が埋まれるべき時代になったのかもしれません。それはほとんどがネット上で流通するものでしょうから、ITが完璧に支援し、保護しなければならないものだと思います。今回のように、「うっかり消失」なんて事が起こってはならないわけです。政治の介入や法の整備ももちろん必要ですが、次世代の貨幣を本気で作るなら、IT業界の英知を結集して守らなくてはならないですね。

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