松井選手の5敬遠事件に(今さら)思う
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なぜかこの時期に朝日新聞で語られる「松井選手の5敬遠事件」。
この事件(と言って良いぐらいのインパクトがありました)は、このように繰り返し語られ、本にもなり、議論されますね。それほど大人の関心が強い問題であったということでしょう。
上記記事の中で、当時の監督さんは「今だったらやらない。社会問題になるから。」と語っていますが、私は、そういう理由で「やらない」というのではないだろうと思うのです。私は、子供たちが勝負をする際は、大人は絶対にこのようなショートカットの策を与えてはいけないと思うのです。それは社会問題になるからという「大人の事情」ではなく、子供には、勝負に徹し雌雄を決するように導くことで、それが良い思い出や経験になると思うからです。
良い思い出とは、言うまでもなく、大人のしがらみが存在せず、純粋に「自身の練習量」や「実力」に帰する勝負のことです。それであって初めて、人はそれを良い思い出として記憶したり、いつか忘れたりすることが出来ると思うのです。人はよく、勝負に負けた後に「将来は笑って語れるようになりたい」と強がる時がありますが、それは、しがらみが無ければ現実になると思うのです。
それに対し、大人のしがらみが介在した勝負は滅多に良い思い出にならないでしょうし、そもそも、忘れることもできないでしょう。「松井問題」では、野球が嫌いになってしまった人もいたのではないでしょうか。それではスポーツの本質がまったく逆に伝わってしまっていることになります。
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