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プロ野球楽天イーグルスの優勝に見る「結果的」人づくり

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プロ野球パ・リーグの楽天イーグルスが優勝を決めました。

Rakuten

9年前に出来た新興球団で初優勝です。創設当初は人材も不足していてダントツのお荷物球団でしたが、人材が揃うに従って実力を発揮し、ついに栄冠を勝ち取りました。

さて、こういう初優勝イベントがあると、必ずチームの組織作り、指揮官、人材育成、秘密の特訓(笑)などの人材管理系の記事が噴出します。

  • 「楽天優勝の立役者は42歳の元外資系金融マン」
  • 「東日本大震災が球団を変えた」
  • 「初優勝 監督・コーチ・選手の強い絆で勝ち取った栄冠」
  • 「里田まいはLady Luck」

・・・などなど。

いずれももちろん的外れではないですが、当人達は「そんな完璧じゃない」と思っていることでしょう。というのも、優勝した楽天と下位チームの勝ち星の差はわずか10前後で、1-2勝/月ぐらいの差でしかないからです。各チームともそれほど大きな実力差があるわけではなく、人事管理面でも似たり寄ったりというのが実情でしょう。

しかし、こういう記事が出ることで、逆に「そうあらねばならない」と思うことの方が大事であり、人を伸ばす可能性があります。

資格試験、検定試験、職位なども同じで、たとえば、資格試験のようなボーダーラインが決まっている試験の場合、満点でなくても75点ぐらいで合格することがあります。その場合でも、周りからは「この人は何でも知ってるらしい」と見られます。そして、当人は、冷や汗をかきながらも、その周囲の期待に応えるべく尚勉強して100点に近づけるわけです。職位でも同じで、たとえば、生まれながらにして管理職なんて人はいません。管理職に就いてから管理職の何たるかが身に着くわけです。

勝てば全ては勝因となり、負ければ全ては敗因となる事が多いのです。

おそらく、楽天のスタッフや選手にも同じことが起こるであろうと思います。優勝して「良い子」のレッテルを張られる事の良い面はこれから出てくるでしょう。「結果的」人づくりが成功するかどうかは、楽天に「そうあらねばならない」と思う人がどれぐらい多いか否かにかかっています。楽しみにしましょう。

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