事業仕分けのQAはいったい何だ?
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事業仕分けが人気です。人気と言ったら怒られそうですが、国家予算の現場が垣間見れるようで、非常に面白い。
しかし、実は、仕分け人と官僚のやり取りは実に空虚だと感じています。特に科学技術分野についてそう感じました。以下、事業仕分けチームに送ったコメントから抜粋します。
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「科学技術分野に対する国費の投入に対して、いかなる成果を生んだか、あるいは、期待しているか?」
今回の科学技術分野の事業仕分けにおいて、この質疑がもっとも典型的でありました。そして、このQAがまともに行われていないことも顕著でした。
なぜそのような空虚な質疑応答になるのでしょうか。おそらく、成果とは技術立国に他ならないわけですが、では、技術立国とはいったいどういう状態を言うのか、という視点が聞く方にも答える方にも欠けているからではないでしょうか。
スパコンで1位になったらなぜ立国なのか? 立国とは科学者や技術者がどうなる状態か? あるいは、日本国民がどのような状態になることを言うのか?
例えば、立国によってGDPを倍増する! 国費を投じた事業の成果物を知的財産としてすべて民間に移管し、世界市場をけん引して制覇する。GDPの増大に呼応し、科学者や技術者の収入をすべて倍増させる。
日本科学未来館の毛利館長は非常に面白い回答をしていましたが、全般にこのような日本の未来に対するシナリオが無いがために、QAが企業の半期目標のような小さなやりとりなっていると思いました。
予算を削減するだけでは日本国民が一気にやる気をなくします。政治家側には、次に、日本国民を魂の底からやる気にさせるシナリオをぜひ策定してもらいたいと思います。それこそ、より多くの民間の参画を期待したいと思います。
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