100年に一度の大チャンスか?
百年に一度の経済危機などと言われ、個人的には100年前は知らないけど、昨今はエラいことになってるんだなと思います。最近のヘッドラインは確かに凄まじい。
- 損保6社赤字 本業不振止まらず
- 朝日新聞が初の赤字転落
- 大赤字に転落したクレディセゾン
- パナソニック、6年ぶり最終赤字
- TBSホールディングス、単体では1951年の開局以来初めての赤字
- トヨタ2年連続赤字へ
あげればキリがないぐらいです。
ニュースになるのはいつも古参や優良企業で、中小はあまり取り上げられないので不公平ですが、それにしてもトンでもない事態に陥っているのだ、という実感があります。
しかし、赤字企業があるのであれば、反対に黒字企業も増えているのでしょう。そのような企業群はきっと百年に一度の危機を逆手にとって、百年に一度の大チャンスとばかりに勢力を伸ばしているのでしょう。いま、いったい何が起こっているのでしょうか。
クレイトン・クリステンセンが1997年に破壊的イノベーションという「止められない下剋上」を説いて以来、優良企業各社は、「破壊」の芽が少しでも出ると投資や買収でそれらを摘んで来ました。IT業界においても、インテルやSAPは実に多くの芽を摘んで来たのではないでしょうか。しかし、それでも止められないのが破壊的イノベーションなのでしょう。おそらく、多くの市場でそれが起こっているのではないかと思います。
ビジネススクールのとある教授は、クルマ市場が誕生してから100年、この市場では根本的な変化は何も起こらなかったが、いままさにそれが起こっていると解説しました。それは、ずっと進化をつづけてきたガソリンエンジンが電気やハイブリッドに変わり、クルマはいまや少量の燃料でひたすら走り続けられるようになったということです。しかも、そのような近代的なクルマが200万円前後で買えるようになりました。クルマの所有コストは想像できなかったほど劇的に低下しつつあります。
百年に一度の経済危機は金融ショックが要因になったように語られますが、実は、それ以外にも根本的な市場の下剋上が起こっているのではないでしょうか。金融ショックのおかげで、それがより鮮明に見えて来ただけではないかと思います。
これを危機と見るかチャンスと見るか。市場という同じ器も、見方によってどちらかに偏って見えてしまいますね。