コマーシャルオープンソースへの道(2)
シンクタンク、メディア各社はこのような動きをどう表現しているでしょうか。各社の年末の特集を概観してみると、コンピュータワールドはオープンソースに肩入れしていて、2007年にはオープンソースの第二の波が来る、オープンソースとSaaSが共演するといったオープンソースの次世代の潮流が来ると予測しています。フォレスターは2007年にSOAが具体化するとし、ガートナーはデータセンター技術に絞ってはいますが、インフラ系ソフトがオープンソース化すると読んでいます。
これらを中心に、多くがオープンソース、SaaS、SOAといった次世代のITモデルが個々、もしくは交錯してエンドユーザに迫り来るというような論調です。用語は異なりますが、「好きな時に好きなアプリを好きな場所で使う」ことをエンドユーザが熱望していることを示していますね。
上記の予測を裏付けるように、先回も指摘した業務アプリの未導入企業には、ASPあるいはSaaSと呼ばれるオンデマンドサービスが既に大いに受けています。また、業務アプリもしくはその動作環境も含めたオープンソース化(と低価格化)も未導入企業を大いに刺激しています。
具体的に見てみると、2000年前後からアプリケーションをオンデマンドで提供し始めた企業はまったくの無名の新人たちでしたが、その後、その破壊的なイノベーションに気付いたOracleやSAPが同様のサービスをスタートし、いまやこの分野はオールスターキャスト状態です。
さらに、ここにMicrosoftのWindows Live!やOffice Live!が加わり、Googleが全く別のビジネスモデルを引っさげてOAツール系の無料のオンラインサービスをスタートしています。コモディティ化したアプリケーションはこのように、就業時間中のビューを獲得したい広告代理店によってますます媒体化するでしょう。
また、VMwareやXenなどの仮想環境で即座に動作するソフトウェアアプライアンスやスタックサービスなどもかなりの人気です。
さらに、これらを支えるソフトウェアは多くがオープンソース化され、世界中の開発者が24時間×365日の態勢でカイゼン作業を行っています。
これらを総合すると、エンドユーザと開発者がタッグを組んで望ましいソフトウェアを共同開発し、それを好きな場所で好きなように動かす、といったエンドユーザ天国の時代がもうそこまで来ていると言っても良いでしょう。