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プロダクトマネジメントとイノベーション

コマーシャルオープンソースへの道(5)

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さて、コマーシャルオープンソースによる共同開発の話はいったん中断し、SaaSの今後を予測してみましょう。

ASPとSaaSはどこが違うのか?

こういう質問やそれに対する解説がかまびすしい昨今ですが、よく分からない理由は、SaaSの定義がベンダによって揺れていることが一つ、そして、SaaSと呼ばれるサービスベンダのほとんどがソフトウェアの期間貸しのサービスを提供しているので、そもそもASPとの違いが無いかもしれないことにあります。(少なくとも今は)

そして、そのようなサービスベンダ自身も、IDCで提供するソフトウェアの幅やAPIは増えつつありますが、全体的にビジネスモデルは変わらず、やはり自身はASPじゃないの?と思っているかもしれません。

さて、米国では既にさまざまな仮想化ソフトウェアが汎用化しつつあり、ソフトウェアアプライアンスというパッケージ形態も浸透しつつあります。これらの流れは現在はSaaSとして捉えられていませんが、まぎれもなく「好きなソフトウェアを好きなときに好きな場所で動作させる」ことを実現する手段であり、ゆくゆくはSaaSとしてカバーされるでしょう。

そうなると、ソフトウェアベンダは、(ソース)コード提供、ASP、ソフトウェアアプライアンス、スタックインストーラー等のいずれの形でもソフトウェアを提供できるように準備しておかねばなりません。

例えば、ASPで小さくスタートして、利用部門が増えたらインハウスサーバに移行し、さらに2年後にアウトソーシングするといった一連の流れを、業務を停めることなく実現しなければなりません。

また、営業部門はASP、サポート部門はインハウスといった運用方法の異なるアプリ同士を連携させる必要も出てくるでしょう。米国では既にCRMと会計ソフトをどんな場所にあっても連携させるような試みが多くのベンダによってなされています。

まさに「ユーザ天国」を実現するためにIT業界は奔走しなければなりません。

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