Javaをオープンソース化してもSunが儲かる理由
ご存知の通り、SunがJavaをついにオープンソース化しました。これまでさんざん「オープンソース化しろ」と言われて来たので、あっさりとオープンソース化してしまって少し拍子抜けです。
さて、SunはJavaをオープンソース化することでどのようなメリットを享受するのでしょうか。開発者に感謝されることでしょうか、それとも、Microsoftへの嫌がらせでしょうか。いや、もしかしたらP言語(Perl、Python、PHP)と呼ばれる同じオープンソース言語への攻撃でしょうか。いや、いずれも大して儲からなさそうです。
私はずっとこれを考えていたのですが、面白い記事を見つけてハタと気づきました。 一つはSunの2006年度の決算資料で(左図)、これによると、Sunのサービス事業の粗利率が急激に良くなっていて、2005年あたりにハードウェア事業を抜いています。私はSunと言えばSparcマシンの印象が強烈に強いのですが、粗利率だけ見ればサービス事業ももう一つの柱になりつつあるのですね。(もちろん、陰ではリストラがあったと思いますが)
もう一つの記事は2007年度Q1の決算です。Java Enterprise Systemのサブスクリプションと教育サービスが急成長しているという報道です。サブスクリプションはおそらくサービス費目でくくられているので、Sunは全体的にサービスが絶好調であるのでしょう。
この決算によって、Sunはサービスをさらに拡大しようと決断したのだと思われます。そのためには、基盤言語のJavaをもっと広げよう。それがJavaのオープンソース化に繋がったのではないでしょうか。しかも、GPLライセンスにすることで他社がJava事業を仕掛けられないようにしています。また、自身も含めてJava上のアプリケーションに独自のライセンスを適用できるよう、クラスパス例外も適用しています。
したたかで確実な意思決定だったと思います。