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ソフトウェアは私たちに幸福をもたらすことができるのか

Appleの社名が変わった日

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 昨年からMacユーザーの一人となった私にとっては、MacWorld 2007は、今年最初に気になるイベントです。気にしていたら、早速Lingrに「MacWorld 2007 新製品の発表をリアルタイムで見守る部屋」というチャットルーム(部屋)が登場。MacWorld 2007での発表をリアルタイムで井戸端談義開始。(エントリ公開時点でまだJobsのプレゼンの途中です。徐々にアップデートしています。)

 会場にいる人からのレポートや、ネットでのリアルタイムレポートを見ながらの部屋は大いに盛り上がっています。盛り上がっている主役は、「Apple TV」に続き発表された今回発表の新デバイス「iPhone」。全面液晶でiPodに携帯電話とインターネット端末機能がついたもの?Jobs曰く「Today Apple is going to reinvent the phone.」

【参考】マルチタッチUIの例(iPhoneのデモではありません) 従来のタッチパネルと違い、複数の点を使ったユーザーインターフェイスを実現する。たとえば、拡大、縮小といった操作も2つの点の距離を広げるジェスチャ、逆に狭めるジェスチャなどで実現できる。

 もう、全面液晶でマルチタッチ(下記参照)を使ったケータイやブラウザの操作は近未来を感じさせる要素ぷんぷんです。(プレゼン画面とスクリプトはここを参照)

 Steveは、わざわざAlan Kayの「People who are really serious about software should make their own hardware.」を引用してみせましたが、まさに「なるほど」と唸らせる内容。

 そして、GoogleのEric Shmidtが登場。Google Maps、Google Searchは、新デバイスに組み込まれていて、簡単に参照が可能。

 そしてさらに、Yahoo!のJerry Yangまで登場。チャットルームでは驚きの声が。新デバイスには、Yahoo!のIMAPメールが組み込まれる。

 「次は、孫さんが登場か!?」との部屋の一部で囁かれましたが、さすがにそれはありませんでした(笑)。

 さて、Steveが「The ultimate digital device」とした新デバイスのお値段は?4GBモデルが$499、8GBモデルが$599。チャットルームでは、「すぐ買う!」の声が。

 しかし・・・発売時期は、米国で今年の6月、ヨーロッパで今年の第4四半期、そしてアジアではなんと2008年!チャットルームは、いきなり盛り下がる(笑)。それにしてもアジアは2008年とは。部屋のだれもが明日にでも使いたいとワクワクしていたのに残念っ!

 最後に発表されたのは、なんと社名の変更。これまでの「Apple Computer Inc.」から「Apple Inc.」に今日付けで変更とのこと。もはや、Computerだけを作っている会社ではなくなったということです。(Computerの文字が消えていくアニメーションは、いずれYouTubeに上がるでしょう(笑))

 それにしても、Appleの(Steveのと言うべきでしょうか)革新的な「もの」を世に送り出す力には驚かされます。たとえば、今日発表になったiPhoneですが、機能だけを考えれば、ケータイに音楽プレーヤ機能がついてフルブラウザが標準でついているものにそう変わりません。しかし、それをボタンでなく全面液晶にしてユーザーインターフェイスを全く変えてしまったことで、まったく新たな次元のデバイスになったのです。しかも、「これまでの30年は始まりに過ぎなかった」と言い切り、iPhoneとして登場させ、そして社名もApple ComputerからAppleに変えてしまうというやりかた。「もの」だけでなく「ものがたり」としても、私達を興奮させてくれる要素が詰まっています。別のAlan Keyの名言を思い出しながら「未来ってこうやって作られるんだな」と実感したライヴでした。 

[追記 2007/01/10] iTVの誤記をApple TVに修正しました。

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