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違和感あり: 10年後「自家用車激減」の衝撃――オワコンになる意外な業界とは?

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関心のある業界のタイトルのため、以下記事を読んだところ、違和感がありました。
10年後「自家用車激減」の衝撃――オワコンになる意外な業界とは?

最初に引用しているPwCコンサルティングの報告では、手動運転による自家用車の比率が走行距離ベースですが、その後の加谷珪一氏の日本に向けた想定では台数ベースです。
気になったので、PwCコンサルティングの報告を探しました。引用されているのは、おそらく以下報告と思います。
デジタル自動車レポート2019 現実を直視すべき時:変革する市場における機会
それによると、自動車保有台数は欧州では2025年にピーク、中国と米国では引き続き成長し続ける見通し、となっています。
また、自家用車とシェアード・カーの比率は、自家用車には有人運転(氏の言う手動運転と思われる)に加え、自動運転もあるので、自家用車の比率はもう少し増えます。

記事の次に書かれている不動産と金融への影響はそんなものでしょう。

最も違和感あるのは、最後の地域経済への影響。最初に書いた台数ベースの裏付けが無いのはともかくとして、車の所有の減り方は、車の使い方、つまりは公共交通機関が便利な地域と、そうでない地域で大きく違うと思います。前者は間違いなく減るでしょうが、後者は簡単には減らないはず。単なるシェアカーでは需要が集中して難しく、乗合含めた自動運転で相当にきめ細かいサービス、あるいは社会含めた根本的に違う考え方が必要と思います。すると、地域経済に影響することは間違いありませんが、販売店だけの問題ではありません。トヨタの販売店の例は、先を睨んでいるのはもちろんですが、軽乗用車の比率が高まっていること等も含まれていると思われます。

いろいろ気づかされることもあるので、私のような者には容易に思いつかない分析を期待しています、加谷珪一さん。

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