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新しいデジタル通貨Libra、使いたいですか?

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先週に発表されたLibra、いろいろおもしろい。Facebookが主導したとは言え、管理はThe Libra Associationだし、彼らは暗号通貨(cryptocurrency)と言っているけれども、それはバックグラウンドの手段なのでユーザーには直接は関係ありません。ユーザーには、Libraの価値が現実の資産に基づくため、投機対象にはなりにくく、価値が安定することが重要。
Facebook、暗号通貨「Libra」とデジタルウォレット「Calibra」を2020年立ち上げ

ちゃんと理解するために、White Paperを読みました。読み終わってから気づきましたが、ちょっとレイアウトがおかしいものの、既に日本語のページが用意されていました。

White Paperには、金融サービスを現在のInternetのように誰もが使えるようにすること、等の崇高な目標が掲げられています。最初は閉じられたBlockchainで運用し、いずれは公開したい、とのこと。ただ、参加することのメリットはわかりませんし、どうやって安全性を担保するのかもわかりません。Byzantine Fault Tolerant (BFT)と言う手法で全てのノードの合意を取り、最大1/3までのノードが異常になっても大丈夫とか。でも、Blockchainが公開されたら、十分な資金を持った団体には乗っ取れることではないでしょうか。

ソースコードが公開されていたり、テストへの参加を呼びかけているのは良し。

実質通貨ですが、民間団体が管理するものを通貨と呼べるのでしょうか? 既存の電子マネーも似たようなものかもしれませんが、何を持って彼らを信頼するのか? 彼らは資産ベースなので、万一サービスが終わったとしたら、資産保証される(はず)のは良いところ。一方で、特定の通貨には連動しないと言っているので、どうLibraの価値が決まるのか不明です。

いくら彼らがプライバシーを言ったところで、Bitcoinのように全取引履歴が残るようなので、気持ちが悪い。また、上に書いたように、Libraに参加する企業/団体のモチベーションがわかりません。崇高な気持ちだけでは、持続は無理。

Libra、非常に興味深い取り組みと思いましたが、新しい時代の幕開けを見ることになるのか、それとも壮大な実験に終わるのか。僕は従来の通貨レベルのプライバシーが保証されない限り、参加しないと思います。

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