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分散ネットワーク: MaidSafe

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TechCrunchで過激な記事を読みました。
インターネットを救うためにはサーバが死ぬ必要がある
この記事は抄訳ですが、MaidSafeという分散ネットワークを紹介しています。
気になったので、彼らのWebで紹介された情報を読みました。

基本的な技術は、以下の論文に書かれています。まず論文があるところから、Bitcoinに似ている感じ。
Self-Authentication
タイトル通り、ここではログイン/ログアウトとユーザーIDに関連づけたデータ格納メカニズムしかありません。MaidSafe全体として必要とするキーバリューストアの仕組みは述べられていないし、ユーザー間の安全なデータ転送ができるようになるわけではありません。

MaidSafeとしては、仮想ドライブやReliable UDP等が提供されています。フルネットワークを今年後半に立ち上げるとか。貢献に対しては、以下のようにsafecoinが支払われます。Bitcoinのminerと似た考え方。

Code Developers
コードに貢献すると、safecoinが得られる。

App Builders
Appの使用に応じてsafecoinが支払われる

Farmers Bitcoinのminerに相当。資源を提供したユーザーにはsafecoinが支払われる。
ソフトウェアをダウンロードして動かせば、Farmersになれる。

ただ、safecoinを持っていてうれしいことがわかりません。他の通貨との交換で儲けるのでは、単なる投機だし。Bitcoinの場合は上限を設けていることに疑問があるけれど、safecoinにそれがあるのかわからない。上限が無ければ永遠に発行されて価値がどんどん下がるし、上限があればいつかそれに達して発行できなくなる(つまりインセンティブがなくなる)。
それに、会社組織としてのMaidSafeがどうやって利益を得るのかわからないのも気に入らないところ。

彼らはセンターサーバーがある形式に不満があるようですが、それ自体は悪じゃない。分散ネットワークもいいけれど、なんとなくインセンティブの与え方が違う感じがします。
当面、彼らの実験は様子見。

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