『あなたにぴったりの業者』なんて見つかるわけがない
我々のような小さい開発会社と言うのは、常に案件の波に振り回されるわけです。
突然食べきれないほどの大量な案件が来れば他社と協業してなんとかこなし、案件が少なくなれば身をかがめてひたすら風雪に耐え忍ぶ、ということをします。
一般的に自転車操業と言われる商店街の小さな店以上に、このヒットアンドスウェイと言いますかスウェイアンドスリープと言いますかのテクニックが求められると思います。(これをやらずに案件の大きな波が来るごとに社員を入れていた時代がありましたが、死亡しました。)
先日のこの記事
外注さんに失敗なく仕事をお願いする単純で画期的な方法を考えたった
が、かなりのアクセスを頂戴したようですが、最近、弊社内や新しくお付き合いするような会社との間では、この方法を「8割巻き取り方式」と言ってまして、
「今回も、8割巻き取りで行きますのでよろしくお願いします」
「8割巻き取りですね、了解です」
みたいな感じで進めております。
ただ、みなさんお察しかも知れませんが(私は気づいていなかった)、8割で巻き取ってみると、大抵そのさらに8割の6割4分くらいしか完成していないんですよね。
そこから弊社のプログラマが巻き取って開発を継続するのですが、これが相当大変なようです。
実際の案件も稼働中なので、この話はこの辺で。まあ、世の中簡単な話なんて無いという話です。
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■ あなたにぴったりの業者は見つかりましたか?
ところで、弊社が外注先を探すときはやはり楽天ビジネスやランサーズといったマッチングサイトを利用するのですが、案件の提案募集期間が終わると運営会社からこんなようなタイトルのメールが届きます。
『あなたにぴったりの業者は見つかりましたか?』
これが、長年開発会社をやってきた私にはかなりの違和感を感じるんですよね。
『ぴったりの業者』
ってこんなのいるのでしょうか。
要は自分が思い描いている条件にぴったりの業者です。
単価が安くて、スピードが速く、技術力盤石、痒い所に手が届いて、デザインセンスもあり、フットワークも軽くて、たまに女の子のいる店に連れて行ってくれる...。
もしそんな会社がもしあれば、それは弊社以外にもたっくさんの発注会社からモテモテでしょう。
現実的ではないです。
実際のところは、開発会社と言うのも人間と同じで、いいところもあれば悪いところもあります。
文面上いいところばかり言ってくる会社と言うのは何かあるわけです。
たとえば単価が異常に安いが、それはまだ会社としてのキャリアが足らず不働時間の人件費が考慮されていないとか、スピードが速く見積もってあるのは、手戻りを一切考えていないとかフィードバックが1日でもらえると思っているとか。
それはそれでそう言ってくれればいいのですが、気が付いていなければ言いようがありません。
そういうのは開発を開始した後、当然トラブルになってしまうんですよね。
あるいは確信犯的に営業がウソを言ってたり、何もわかってないというパターンもあります。
■ パートナーシップは発注者側にも変化が求められる
マッチングサイトでは、基本的には発注者側が好き勝手な条件を提示して、それに対して受注者側がアプライするのですが、発注者側は王様になった気分で受注者を選定していてはいけないと思います。
それよりも、手を挙げてきてくれている開発会社のダメなところ(不得手なところ)をしっかりと見定め、そこは今回の案件で問題になりそうもないか、自社にそれをカバーできる体制はあるか、もし無いのならどこまで受け入れ変わっていくことができそうか、を考えないといけません。
会社同士のパートナーシップも、恋愛関係と同じで、理想的なそれがどこかにポコッと落ちているわけではなく、2人(2社)で互いに歩み寄って温め育てていくものですから。
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