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「脳内ビジネス」の話はまたにします!

28歳のK島さんに教えてもらったこと

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昔話です。
よく私が引き合いに出すダメプログラマーやダメサラリーマンというのがいまして、それはいったい誰がモデルなのかというと、実は20代中盤の頃の私であります。
ほんと思い出すほどにクソです。
そして、そのクソなサラリーマンプログラマーであった私の30%くらいの人格を改造してくれたのが、当時私が勤めていた小さなソフトハウスで席を並べていたK島さんという人(プログラマー)でした。
当時、彼は28歳くらいでしたが、菅原文太をもうちょいぽっちゃりさせたような感じで、白髪交じりでしたし、どう見ても30代中盤でした。
彼には、何度かボコられたことがあります。
というか、飲みに行って、仕事で愚痴ったり社長の文句を言うたびに、ガン!とテーブルを叩かれて、「あのねぇ!」と、説教されました。
彼、別に私の上司でもなんでもなかったんですが、なぜあそこまで熱く私を叱ってくれたんでしょうかね?
いや、半分はSな趣味です。知ってます。でももう半分は、生意気な私に興味があったのだと思いますね。このバカを更正してやらないといけないという愛があったような気がします。
おかげさまで、30%くらい更正できた気がします。ありがたいことです。
いや、今思い返せば、それ言い過ぎだろう、と思うところもあります。でもまあこれくらい言わないと、生意気で口が達者な私には反論されてしまったと思いますね。
■君はサラリーマンなんだから上の言うことはハイハイって聞けばいいんだよ。
何かにつけ、社長からの指示の目的を聞いたり、お客さんに電話しろと言われてもメールで済ませたり、「そのプロジェクトは私はノータッチでいいですか?」とか言ったりしてて、あまりの傍若無人ぶりに見かねたK島さんが、私を飲みに連れてってくれて、そこでガツンと説教くらいました。
「君はサラリーマンなんだから上の言うことはハイハイって聞けばいいんだよ。」「給料もらってて、何自分で自分の仕事決めてんの?」
これは結構な衝撃の一言でした。
■営業はもっと高く売ってくればいいんだよ。
別の日、飲み屋で「あの社長、給料30万の僕が3ヶ月で作ったシステムを600万で売ってるんですよ。完全なぼったくりじゃないですか!」と呆れる私に対して。
「それは全然違うね!もっと高く売ってくればいいんだよ。1000万で売ってくるべきだよ。」

と。

「営業は、安く売って喜んでもらう仕事じゃないんだよ。いかに限界まで高く売ってくるかっていう仕事なんだよ!」
あ、これは完全には同意しかねますが、とにかく原価を積み上げて一定の利益を乗せて売るのが当然と思っていた私には相当のショックでした。
■給料の3倍稼いでから文句言いなよ。
何かを咎められ「給料分は十分働いているつもりだ」とのたまう私に対して
「何言ってんの?給料の3倍稼いでから文句言いなよ。」
とにべもなく。
会計士崩れで、原価計算とか勉強していた私は自分の人件費に5割も乗せれば十分だろうと思っていました。しかし、案件に波がある受託開発の経営ではそんなもんじゃ足りな過ぎます。
この3倍という値は、黄金比じゃないですが、今もかなりの真実だと思ってます。
■プログラムを難しく書くのは簡単なんだよ。誰にでも分かるように書くのが難しいんだよ。
とにかく新しいトライをしたくて、新しいコンポーネントとかが出るとすぐ乗り換えたり、汎用化を目指して複雑怪奇な書き方をする私に対して。
「これ、わっかんないよ。あのね。プログラムを難しく書くのは簡単なんだよ。俺もやってやろうか?そうじゃなくて、誰にでも分かるように書くのが難しいんだよ。」
まあ、こう言われてすぐに直るはずもないですが、開発においてはじめて「属人性の排除」というのを意識した瞬間です。
■君が社長やるしかないね。
「経営に文句ばっかり言うなら、君が社長やるしかないね。」
飲みに行くたびに何度もこう言われて、自分はサラリーマン不適格者だと認識しました。「確かに」と思い、2年ほどして会社を作りました。

 

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