iPad 2の発表に思うこと
3月2日(日本時間 3/3 03:00) からのAppleの iPad 2発表イベントを、オンラインで体験した。Text+Phone+Twitter での体験であったが、十分にライブ感を楽しめた。
その場で思ったことは Tweet したので @nkawa で3/3あたりを見て欲しい。個人的には、まとめて書いておきたいことがあるので、以下エントリを。
iPad 2のスペックについては、Appleの発表 を見てもらえば良いが、
- A5 Dual Coreで、2倍速。グラフィックは9倍速
- Dual カメラがついたのに、薄く、軽くなった
- ホワイトモデルも同時発売
- マグネットで着脱式、折り畳み式の蓋も同時設計。カラフル10色。
- アプリとして iMove , Ga rageBand が登場
- HDMIでの1080p ディスプレイ出力がすべてのアプリで可能
といったあたりがトピックであったが、これらはほぼ識者の予想の範囲であった。
恒例の "One more thing" も無く、あっさりとしたイベントでもあった。
iPadの進化はこれから始まる
しかし、個人的には、今回のイベントは大変大きな意味を持つ、と感じている。
それは、
- Apple は iPad をサポートし、継続的に発展させていく
という意志が確認できたことだ。
当たり前かもしれないが、ユーザも、デベロッパにとっても、そのプラットフォームへの安心感が必要なのだ。自分の投資が十分に価値があるかどうか、という点が大切だ。それをAppleが保証してくれた。昨年 iPadを買ったユーザにとっては、iPad 2は、ウラヤマシイが、慌てて買い換えなければならないデバイスではない。また、これからも iPad 2 専用のアプリばかりが多数出る、という心配も無い。
また、iPad がこれまでに 1500万台販売された、というデータも発表された。iPhoneは累計7000万台と言われており、比較するとまだまだであるが、Tabletというフォームファクタで考えると、これは驚異的だ。
Apple信者もそれなりの数がいるため、アーリーアダプターが中心であることは否めないが、これだけのユーザがいれば、iPhoneとは異なるエコシステムが生まれはじめてもおかしくは無い。
iPhoneがここ数年間で成熟してきたように、iPadも、これから成熟していくのだ。
それを、今回のイベントはあらためて明確にしてくれたと思う。
iPadのユーザをターゲットにしてみよう
これまで、iPad 向けの開発は、iPhone向けの開発のおまけ、という形式が多かったのではないかと思う。(もちろん、iPadをメインターゲットにされている方もいるでしょうが)つまり、パイ・ユーザの大きいiPhoneをメインターゲットとし、余裕があればiPad用も開発する、と。
しかし、iPhoneのユーザと iPadのユーザは、本質的に異なる。
iPhoneは常に持ち歩き、いつでもどこでも利用するためのデバイスであるのに対し、iPadは、椅子やソファーに座って、ゆったりと楽しむためのデバイスだ。
Appleは、iPad を "Tablet for Every Living Room" として作ってるのだ。
この違いを意識せずに、アプリやサービスをつくってもiPadのユーザには、使ってもらえない。
世の中には、テレビの前にどっかり座って、ノンビリ、楽しんでいる人がたくさんいる。インターネットもスマートフォンも関係ない人達だ。こういった人に、インタネットの世界や、ITが生み出す感動を与えるのがiPadだ。
また、こういった人が、実は、社会で最も大きなボリュームを占めているのではないか。
誰もが、テレビのように、手軽に、楽しく、安心して使えるデバイス。iPadが目指すのはそういう方向だ。だから、Appleのアプリの審査はそれなりに厳しい。このクオリティコントロールが、ユーザの安心感を生むのだ。
まだまだiPadのようなデバイスを「誰もが使える」という状況になるには、時間がかかる。しかし、iPadは、その一翼を担うデバイスになる、と確信した。
#その前に、ネットワークはどうするんだ、という点が課題。。。
ぜひ、iPadのユーザをターゲットとした、アプリやWebサイト・サービスの開発を進めて欲しいものである。(自分自身も含めて)