発電と送配電、分離したらやってほしいこと
電車や街にリクルートスーツが溢れて、初々しい感じですね。
私自身は服装とかで縛られるのは嫌いなのですが、こういう初々しい姿を見ると見る分には初心に返れていいなあと思います。
右肩下がりの上に激動の時代に社会に入って、ホント新入社員のみなさんは大変だと思いますが、たくましく育ってください。
という話題とは全然関係ないのですが、ちょっと前のニュース。
発電と送配電、分離を本格検討…新規参入促す(YOMIURI ONLINE 2011年12月26日)
電力会社が発電と送配電を一体運用している現在の体制を見直す。新規事業者の参入を促し、企業や家庭が電気の調達先や料金を柔軟に選択できる体制作りも検討する。経済産業省が年明けから本格的な検討に入り、2013年度に電気事業法の改正を目指す。
このニュースでは震災時の教訓から、発電部門の多様化の観点で分離を進めたいとなっていますが、そもそも電柱と電線が電力だけのものという考え方が古すぎると思います。
こっちの業界に来る前は設備屋として、空調工事の自動制御や電気工事もしたことがあるのですが、お役所も建設会社もあまりにもITに疎いです。(担当部署が)
建設工事の現場では、電気屋と電話屋が別。(主に免許制度の関係で)さらに空調などの自動制御も別。LAN配線も更に別。
一体建物の中にどんだけ別々の業者を入れて何本の線を這わしているのでしょうか?
ビルの天井裏なんか、もう線だらけです。
考えてみれば変な話で、例えばITではLANの線さえあればほとんどの信号が送れます。(電話までも)
そして、100VのコンセントにつないでLANを取り出す技術もすでに確立されています。
免許制度とか行政の縦割りとか色いろあるんでしょうが、もうちょっとなんとかしてほしいものです。
真剣にやれば、電源の線(つまりコンセント)だけで、リモコンもLANも送ることは軽くできるはず。
さらに電柱に伝っている線にしても、電話線と電線を分ける必要もなくなるでしょう。(ちょっと極端かもしれませんが)
電源線に制御信号が乗れば、既存の配線を変えることなく、電気器具の買い替えだけで制御も可能になりますし、それを遠隔監視することも容易になります。
東北の被災地で、仮設住宅のLAN配線がどこもないことを視察して嘆いたことがありますが、コンセントからとれれば必要ありません。
戸別の省エネや計画停電の制御ももっと簡単になりますし、節約度合いに合わせた柔軟な電気料金の設定もできるでしょう。
このあたりの規格をちゃんとする人がいないのか、もしくは電力会社もNTTもそんなことを考えもしないのか、考えたくないのか(たぶんこれ)わかりませんが、スマートグリッドを唱えておきながら、今よりさらにコストを上げて、線を増やすことを考えていることが不思議です。
こういうことこそ、国がちゃんと改革して、既存の免許制度や配線規格などを再編して、世界一低コストで省エネルギーで、しかも冗長化もされた配電の仕組みを考えるべきではないのでしょうか。
わずか7人程度の零細企業の社長をやっていた15年前に思いついたことが、他の誰も思いついていないとはとても思えません。
それくらいに既存のインフラ権力の壁は高いということなのでしょうが、根本的な国家的なコストダウンに取り組んでもいい時期だとは思うのですが。