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もしも洞察力があったなら……。

シン・仮面ライダーに涙した日(Masked Rider evolution)

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春分の日。京都は二条のTohoシネマIMAX映像で絶賛公開中の「シン・仮面ライダー」を観てきました。

池松壮亮、浜辺美波、柄本祐、長澤まさみ、仲村トオル、安田顕、市川実日子、松坂桃李、森山未來、竹野内豊、斎藤工などこれまでの庵野作品のどこかで見かけたことがあるキャスティングによる豪華作品。

飛び散るしぶき、次々と泡沫に帰するショッカーや登場人物。

目指すはアルカディアかディストピアか。刹那的なドラマの中に希望を見出す仮面ライダーの世界観を再生し、子ども向けの特撮作品に終わらせない庵野監督の構成力は見事でありました。昭和生まれの懸命な諸君はお気づきと思いますが、話の展開はシン・ウルトラマンのそれ。場面の切り替えは現代の平成~令和仮面ライダーにさえも受け継がれている素早さ。日本の特撮の王道ともいえる話の展開に、石ノ森章太郎作品独特の影を落としこんだ没入感満載の2時間となっています。

いろんなご意見はあると思いますが、個人的にファンであることもあってですが浜辺美波さんの緑川ルリ子はハマリ役ではないかと。

池松壮亮は好きな俳優の一人ですが、昨今高身長化が進む日本の俳優陣の中では172cmだと(決して低くはないものの)、182cmの柄本祐と並んだ時には映像演出があってもどうしても身長差が出てしまい、「違い」が強調されるような感じがします。(わざとかも)

長澤まさみの雑な扱いとか、斎藤工の神永新二っぽい無口な演出とか、森山未來の妖艶な振り付けとか、松坂桃李の「孤狼の血2」とはかけ離れた手塚治虫の火の鳥にでも出てきそうなマシンっぷりとか、いつもの竹野内豊とか、音声なし笑顔だけの市川実日子とか、本編以外の様々なオマージュの見どころがたくさんで、庵野作品を親しんできた人なら楽しめること間違いないです。

一方で後半~クライマックスに至るライダーの系譜ともいえる破滅と希望、断絶と継承ともいえるライダーの世界観全面出しの展開にとてつもない郷愁が訪れ、私の涙腺は一気に崩壊してしまいました。

ところで登場するバイクは本田技研さんのもののようです。サイクロン号、売り出してほしいなぁ。

そしてもし見終わってもう少し世界観に浸りたい人はパンフレット(1200円)のご購入をお勧めします。

ライダーファン、庵野ファン、役者それぞれのファンは必見だと思いました。

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