聴覚に不具合が出てきた高齢者の選択肢(体験編)1
ずいぶん昔、おそらく30年くらい前のことでしょうか。転んで頭を打つなどケガをして入院し、命の危機にさらされた私の父はその時の後遺症で左耳がまったく聞こえなくなりました。
年月による老化とともに右耳も聞こえづらくなって久しいのですが、この秋に用事があって帰省した時にかつての補聴器類は壊れてもはや使っていないことを知りました。父とは大きな声でないと会話ができない状態になっており、同居の母など家族は日々ストレスを感じていたようです。
父はこれでは不便と継続して補聴器の新調を検討し続けていたようですが、どうにも自分に合うものが乏しく、また業界の方には大変申し訳ないですがお値段が高い!
コミュニケーションがストレスになることによって平和な家族間の関係性の維持が困難になってくるといよいよ母が私に時折こぼすようになってきました。「最近は本当に用事があるとき以外はロクに会話しないのよ」と。用事があるときはひたすら大声で伝えてきたそうです。なかなかのストレスであるとの弁。
そんな話を聞きつつ、たまたま密林(アマゾン)をぼんやりサーチしていた時にもしやと思って試しに安価な集音器(not補聴器)がないものかと探し始めました。そういえば自分が使っているランニング用の骨伝導型のヘッドセットの類もないかなと。
すると密林の階層の比較的奥のほうに、川崎市に本社工場を構える小さなメーカー「伊吹電子」が製造販売をする骨伝導の集音器「クリアーボイス」を発見したのです。補聴器に比べるとずいぶんと優しいお値段でしたので早速実家宛に「敬老の日のプレゼントだよ」という体裁で購入をしました。
新しいものが苦手な父が珍しく私からの贈り物ということで手に取って試してくれたところ、なんと老化した右耳はもとより左耳もかすかに聞こえるようになったと喜びの声が。個人差は多々あると思いますが、父の場合は聞こえなくなった耳の方も骨伝導ならなんとか音を感じることができたようです。
耳が遠くなり補聴器では満足に解決ができない方はこのような骨伝導のヘッドセットを試してみると良いかもしれません。