ツッコマレビリティに見る「半沢直樹」がウケるもう一つの理由---「とんでもない裏切り者をあぶりだす!」
個人的に夏休みを頂戴しておりました。その最終日となった日曜日というのは、これまでだと「明日から仕事かー」「なんかちょっとやだなー」と言いつつ何とかスイッチを切り替えて早寝に努めてきたわけですが、
今回は違いました。
日曜日の夜がやってくるのが楽しみで仕方がないのです。こんなことってあんまりないんですよね。
なぜか。そう。日曜の夜は名付けて「半沢ナイト」。
視聴率も高く、Twitterの数も多い今回の話題作。銀行業務、M&Aや証券業務、ITセキュリティやコンプライアンスなど実態との乖離(=ツッコマレビリティ)と歌舞伎役者をはじめとした配役の妙で目が離せない作品となっています。
当初は歌舞伎や時代劇のような勧善懲悪がウケているのだろうと考えていましたがドラマが進むにつれてさらにいくつか「半沢直樹」がウケる要素を見出しました。
それは、
- 月曜日を迎える前日に元気をもらえることへのメンタルサプリ的な効能
- 「ツッコマレビリティ」満載なため、あえて視聴者にSNSなどでツッコミして話題にしやすい
- 大きな話の流れとは別に、必ず1話完結の「スカッとポイント」がある
- 覚えやすい、誇張されたシンプルなセリフにより、真似しやすく、なりきり半沢、なりきり大和田、なりきり伊佐山、なりきりグランドパイロットなどが可能に
という感じです。もちろんすべての方に当てはまることではないと思いますが、日曜日の夜にスカッと元気に過ごしたい方にはお勧めのドラマです。今ちょうど折り返し地点です。途中から見てもついていけますのでご興味のある方はぜひお試しあれ。
なお、ツッコマレビリティとは、プレゼンなどでわざと情報をあいまいにしたり、抜くことによって「それって何?」とQ&Aセッションで質問をしやすい雰囲気を作り、聴衆とのコミュニケーションを誘発するというちょっとクセのある技です。プレゼンテーションの目的にもよりますが、コミュニケーションを大事にしたい場合には、聴衆のリテラシーの差にかかわらず質問しやすい環境を整える、と解釈いただいてよいでしょう。(例:イベント企画における10項目のメニュー表で「最新内装テクノロジー体験会」「驚きの工具アハ体験」「街中ハツリ競争」などと記載しつつ、説明をしない、「理由は5つあります!」と言いながら3つしか言わない、等)