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もしも洞察力があったなら……。

【広報かるた】・【せ】宣伝じゃ ないんだ俺たち 広報だ

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広報を長くやっていると、たまにこんな電話がかかってきます。

あー、玉川さん?僕の知り合いが雑誌の広告代理店をやっているので、一度話を聞いてもらえませんか?
 
あるいは
 
あー、玉川さん?こないだ地元駅で他社の看板を見たんだけど、うちのも出せないのんですかねぇ?
 
はたまた
 
あー、玉川さん?ラグビーのさ、スポンサーを某社がおりるらしいんだよね。うちが冠とるとかできないものですかね?
 
などなど。
 
賢明な読者の方はお気づきと思いますが、これらに関する多くの仕事は、ごく一般的にいうならばジャーナリズムや、幅広いコミュニケーションを生業とする広報のお仕事ではなく、資源を投じて市場にメッセージを届け、時には商品を売り、ブランドを強化していくための宣伝活動の一環だったりします。
 
組織構造云々ではなく、あくまでも役割ということで申し上げますが、広報と宣伝は、機能として分離されているのが望ましいのですよ。
 
金権分離思想や、the pen is mightier than the sword、言論の自由、報道倫理などは、広報を語る上で欠かせない視点です。何が一番肝心かと言えば、
 
何人も、ヒトの言論を力で支配してはならない。
 
というものです。ここでいう力とは主に、武力、財力、そして権力を指します。
広報は、こうした価値観の上に成り立っているのが前提とさせていただきましょう。
 
(今日は詳しくは語りませんが一度、広報の成り立ちについて紐解いてみてはいかがでしょう。)
 
そうすると、広告代理店とのやり取り、屋外広告物、スポーツのスポンサー行為などは、広報の価値観という意味では範疇外、ということができます。
 
一つフォローすると、必ずしも広報と宣伝の担当者が別々に必要だと申し上げてはいません。スタートアップ企業などではそんな余裕があるはずもないですし。
人は少なかったとしても、その価値観の使い分け、棲み分けをしっかりやればいいのです。
 
間違っても、言論の不都合をお金で解決しようとしたり、権力でコントロールしようとしたりして、世間とのintegrity(一般的な訳:誠実さ)ある関係を破壊してはなりません。
特に最悪なメディアとのコミュニケーションの例をあげましょう。
 
「もっと記事書いてくださいよ。広告たくさん出しているんだから。」
 
え、まさか?こんなこというわけないって?驚くなかれ。長年この仕事をやっていると、私のところにこうしたことを言われたと苦しそうに告白してくれる方がいます。もちろん他所の話ですよ。
 
武、財、権力による言論支配は反作用の温床です。瞬間的にはうまくいくように見えることがあるかもしれませんが、決して長続きしません。その反動が大きくなると、世論の離反という、極めて大きな代償を払うことになるでしょう。
 
広報での実践云々ではありませんが、ステルスマーケティングと言われるものも、こうした議論の俎上に上がります。くれぐれもintegrityに欠けたコミュニケーションをすることがないように。広報部門がしっかりとその洞察をもって教育をしていくことも時には必要でしょう。
 
小手先ばかりに囚われずに、しっかりと本質を理解して実践してまいりましょう。
 
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